30話 ページ30
部屋に戻ると、机の上に小さな土鍋が置いてあった。
「美味くはねえと思うけど……何も食わないよりはマシだろ」
少し照れながらそう言う事宮地さん。
「ありがとうございます。いただきます」
一口食べると、卵の優しい味が口に広がった。
「美味しい……」
私の言った言葉に食器を洗ってもらっている宮地さんが「美味くはねえだろ……」と反応した。
ちらっと見える横顔はどこか赤かった。
・
「ごちそうさまでした」
宮地さんに声をかけると
「オレが洗うから、お前は寝てろ」
「え……でも……」
手で、シッシッとしながら私がもって持ったいた食器を取る。
お言葉に甘えて私はベッドへと向かった。
・
部屋に戻ると、ベッドの脇に置いてあったスマートフォンが光っているのに気づいた。
[大丈夫?起きたら連絡してね]
と連絡が入っていた。
[ありがとうね。またお礼するから!]
と返信をして宮地さんを待った。
・
「宮地さんっていい人ですね」
洗い物から戻ってきた宮地さんに声をかける。
すると、はぁ……とため息をついた。
どうしたのかなと思い、首を傾げると真剣な顔をして宮地さんは言った。
「オレは、どうでもいい女の看病なんてしねえよ」
そして少し、間をおいて続けた。
「オレにとってお前は特別な存在だ」
おとなしかった心臓がドクンドクンと音を立て始める。
「後輩としてじゃなく」
体中の熱が顔に集中して、また熱が出てきたのかと錯覚させる。
「一人の女として、お前が好きだ」
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ちゃりんこ(プロフ) - キューティーオイラーさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて光栄です! (2015年7月3日 21時) (レス) id: 83a1adfc00 (このIDを非表示/違反報告)
キューティーオイラー - キューティーオイラー、元赤司フォーリンラブです!ドキドキの展開が沢山ありキュンッてなります! (2015年7月3日 16時) (レス) id: 929ff0284c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃりんこ(プロフ) - さくさん» なかなか進まなくてごめんなさい!更新頑張ります(´∇`) (2015年6月3日 7時) (レス) id: 83a1adfc00 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 良かった〜^^ ネタバレ聞いてしまってごめんなさい!更新頑張ってくださいね!! (2015年6月2日 22時) (レス) id: 74a7b7fe34 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃりんこ(プロフ) - さくさん» コメントありがとうございます!赤司様オチですよ(*`・ω・´) (2015年6月2日 22時) (レス) id: 83a1adfc00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃりんこα | 作成日時:2015年4月6日 16時