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第42話 ページ44

おそ松side

俺はチョロ松に腕を引かれ、廊下に出た。


お「…チョロちゃん?」

チ「お願いだから……一人で全部解決しようとしないで。」


まるで死にそうなぐらい小さいチョロ松の声は俺の心に突き刺さった。


お「な、何のことだよチョロま…(チ「はぐらかさないで。」…何にもはぐらかしてなんかねぇよ。」


ごめんな、チョロ松。

これだけは譲れねぇんだわ。

すると、チョロ松はジッと俺の目を見据えた。


チ「じゃあ何でそんな泣きそうな顔してるの?」


その言葉で俺の喉はヒュッと鳴った。

あまりにも核心をついてくるチョロ松の言葉が、ただただ恐ろしかったから。


お「な、なーに言ってんの?俺は天下の長男様よ?泣くわけねぇじゃん!」

チ「今までは、そうだね、で済まされてきたけど、もう無理だよ。僕らはおそ松兄さんのことをずっとずっと待ってたんだよ。カラ松が刺されたときでさえ、おそ松兄さんが助けてくれる、って待ってたんだよ。」


そう言って俺を見て力なく笑ったチョロ松の目の下には真っ黒な隈があった。

そういえば、カラ松は異常に軽くなってイタい発言もしなくなったし、チョロ松は見ての通り隈が酷い、一松は手が速くなったし、十四松は今までみたいな変わった行動をしなくなってあの長く伸びた袖でもなくなった、トド松もあんなにファッションとかに五月蝿かったのに今では全くそんなことを言わなくなった。


チ「僕たちは変わってないよ。」

お「っ……変わったじゃねぇかよ。」

チ「何処が?」

お「お前らは昔のお前らとは違うんだよ!!俺は、、俺はただ皆でバカやってたあの頃に戻りたいだけなんだよ!」


俺はつい、取り乱してそう叫んだ。

床に崩れ落ち、泣いている俺にチョロ松は目線を合わせるかのようにしゃがんだ。

チ「でもさ、僕らは兄さんの弟だよ。松野おそ松。誰よりも正義の赤色が似合う、自慢の兄さんだよ。これは、何があっても絶対に変わらないこと。例え、僕らが死んだとしても。」

お「でも、、、もう正義なんてほど遠いよ。」


俺はチョロ松にさえ聞こえないぐらいの小さな声でそう呟くと、顔を上げて笑って見せた。


お「そうだな!よっし、アイツを倒しに行くぞ!」


声のトーンを明るくし、できるだけ変わったように見せた。


俺は嘘に塗られた笑顔の下で泣きながら、コイツらの幸せだけは絶対に守り通す。何があっても絶対に。、と自分自身との約束を誓った。

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千陽(プロフ) - 七瀬彩七さん» 七瀬彩七様→応援ありがとうございます!!他の作品もよろしくお願いします!m(__)m (2018年1月3日 23時) (レス) id: c425a80858 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬彩七(プロフ) - 面白いです。更新頑張って下さい。応援します。 (2018年1月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 9eede2b342 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千陽 | 作成日時:2017年8月28日 13時

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