【過去編】1 ページ33
音隠れの里
塵に埋もれ隠れた
古びた建物の中
上忍が立ち並ぶその奥で悠然と座っている大蛇丸に見下ろされながら
Aは首を垂れ跪いていた。
「氷結の……里ですか?」
「えぇそう。最近出来た小さな里よ。ここから北西に7日程行った所にあるわ。A……と言ったかしら?」
「……はい。」
「貴女そこに潜入して、私達の仲間を殺してきなさい。」
「……仲間……を殺す?」
その言葉にゆるりと視線を持ち上げたAは、真意を確かめたくて大蛇丸の瞳を見たが、その目に宿した光は酷く冷たかった。
「そうよ。今、この里は大事な局面を迎えているのは貴女もよく解っているわよね?」
「……はい。」
そう辛うじて頷いたのは、そうしなければ自分の命はこの場限りで尽きる事が解っているから。
そのAの遅れた返事に一瞬目を細めた大蛇丸だったが、そのまま話を続ける。
「この里の情報を他里に漏らすわけにはいかないの。拷問で誰かが口を割る前に、捕虜になった仲間を全員、始末してきてちょうだい。」
「……御意。」
「任務に成功しても失敗しても、結果は寄越して。そして、そのどちらでも……貴女は里の為に……そこで死んで。」
「はい。」
今度は躊躇わずに返したAの返答に、大蛇丸は口元に弧を描きゆっくりと立ち上がってAに歩み寄った。
「貴女が失敗したら。次は貴女のお友達が任務に出る。それだけは覚えておきなさい。」
耳元で囁かれた声に、Aはコクリと頷いて、着せられていた着物を脱いだ。
露わになった肌は透き通るように白く美しい。
上忍達がAの姿に生唾を呑む気配を感じてもAは微動だにせず、大蛇丸にその背を差し出した。
その背に書き連ねられていく術式は、Aの命を奪う為のもの。
ここで立てた口約束の曖昧な誓い等
大蛇丸が信じる筈は無い
恐らくAが少しでもこの里の事を口にした瞬間、その心臓は鼓動を止める。
きっとそういう術式なんだろう
それでもそれが運命ならばそれでいいとAはされるがままに
そっと瞳を閉じて事が終わるのをただ待っていた
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テン(プロフ) - さきさん» わー、さきさんありがとうございます。嬉しいです。君に届けたい〜のパスワードは、作品ページにも記載してますがカカシ先生のお誕生日ですよ^_^キャラ崩壊してますが、楽しんでいただければ幸いです。(レス遅くなり申し訳ありません^^;) (4月7日 21時) (レス) id: 45d5aa443d (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろい作品でした!君に届けたい歌があるのパスワードは教えてもらうことは可能ですか? (1月14日 22時) (レス) id: fc3eb456ce (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - honokaxxxvさん» honokaxxxvさん初めまして。コメントありがとうございます(^^)18フラグが探せるのであれば、『この作者の作品を全表示』という場所から飛べると思います♪私もあまりシステムに詳しくなくて、もし見れない時はまた教えて下さい(・・;) (2021年12月11日 13時) (レス) id: 4e1c1164bb (このIDを非表示/違反報告)
honokaxxxv(プロフ) - こんばんわ!久々占ツク開いて真剣に読みました( ¨̮ ) 『君に届けたい歌がある』を読んでみたいのですが18フラグを探せれる設定なのですが見つかりません( ´∵`) どう調べたら出てきますか、? (2021年12月10日 0時) (レス) @page40 id: 75aa42d988 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - 哀羅さん» 哀羅さんこんにちは!いつもありがとうございます(*^^*)引き続き続編も楽しんでもらえれば幸いです♪ (2021年1月14日 19時) (レス) id: d52e65ea9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年1月14日 0時