疑わない[sideＯ] ページ36
《side智》
「ちょっと見せて」
翔ちゃんが相葉ちゃんの手から手紙をとった。
「……」
手紙を読んで、振り返って、また読んでって繰り返してる。
「あのさ、これって……相葉さん正解だったんだわ」
「……え？」
「全部、でたらめだよ、この地図」
「どれ？」
ニノが、手紙を見て、振り返って言う。
「……これさ、誰の言葉も信用しないか、誰の言葉も疑わないかって課題だったんだ」
「……え？」
「あなた騙されやすいからね、騙されないようにって課題だったんだろうけど、手紙を読みもしなかったってことは、誰の言葉も疑わないっていう結論に至ったわけでしょ、アナタらしいよ、いいんじゃない？」
ニノがふふんって笑う。
「やり方は、無茶だけどね」
松潤も笑いながら言う。
「それに、翔さんの課題だってさ、ちょっとチェリーブロッサム帝国って独裁政治っぽいとこあるじゃん、帝王って感じ」
「……否定できない」
翔ちゃんが苦笑してる。
「そこであの課題。おそらく歴代の王たちが言いたいのはそれだろ、ブルーベリー王国には、困ったことがあったら王様の元に行けっていう歴史を実感させるためで」
「うちの国には、あれだ。謙虚な心を失ったら国が滅亡するだろうって暗喩をにじませ」
「おれの国は、お人よしだと怪我するよ、でも自分を信じて突き進めってことなのかもね」
翔ちゃんが言ったあとに、相葉ちゃんが、ふふって笑った。
「あと２つ？」
ニノがはあってため息を吐いた。
「わたしの対する嫌味満載の課題、なんでしょうかね！」
「文句たれんなってことじゃね？」
松潤がくすくす笑って言う。
「じゃあ無理だ！みんなごめん！おれリタイア！」
「だめだよ！俺の怪我してまでの努力無駄にすんのー！？」
相葉ちゃんが、ぎゃははって笑いながら、ニノに抱きついた。
「うぜ！うぜー！俺やだよ、やだ、この先行きたくない！」
「とりあえず、コーヒーでも飲む？」
松潤が背中に背負ってたバッグから水筒を取り出した。
「え！」
「あと、鎮痛剤と消毒と絆創膏。相葉さん、足出して」
ランタンを地面に置いて、ごそごそやりだした。
「コーヒー……いただこう」
翔ちゃんがこぽこぽ、とコーヒーをコップに注いだ。
「俺も」
ニノも、翔ちゃんが飲み干すのを待って、コーヒーを一口。
「早く帰りたいからがんばる」
ニノがほ、と肩の力を抜いて、呟いた。
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カナ - ものすごくよかったです！よしのさん、無の証明応援してます。 (2019年11月9日 21時) (
レス) id: b8c9c9f13b (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 何度読み返しても面白いので、嫌なことがあったりすると必ずこの作品をこそっと読み返してます（笑）お妃候補や青王子がキリッとしている姿など、プチ続編を密かに期待しています(*^-^*) (2018年8月12日 11時) (レス) id: 46d8f31019 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - わぁとっても楽しかったです。五人それぞれの特色が素晴らしくて拝見していてワクワクが止まらなかったです>^_^< (2017年9月18日 10時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
catseye(プロフ) - いやいやいやいや。嵐さんの（ヲタヲタしい）話を出来るってだけで私の中ではフツーの人じゃないですし、がっかりしませんよ(笑)赤いネルシャツ着てお蕎麦持って待ってましょうか？(笑) (2014年11月18日 18時) (レス) id: 9878059a12 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - なおさん» ありがとうございます( ；∀；)各王子の声で再生されたといわれるの嬉しい♪こういう話になると、相葉さんはアカレンジャーの役割をします！トラブルの根源でヒーロー(笑)翔青、和緑、智黄、潤ピンク←でどうだろう。なんか違う(笑) (2014年11月18日 8時) (レス) id: 526c4ff89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作成日時：2014年7月5日 17時
