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首筋 ページ24

三成が刀を振り下ろす瞬間

男は組んでいた両手をほどき、袖の中から取り出した小刀でAの首筋を切りつけた。

貴)「うっ・・・」

不幸な事にAの眠りは浅く、直後に叫ぶ事も出来ずに
ただ、鋭い摩擦の様な痛みが段々と強くなっていくのを感じる事しか出来なかった。

石)「Aっ!?」

振り下ろしかけた刀を鞘に納め、Aの近くで屈む。

貴)「三成・・・さん」

この時はまだ首筋を押さえていたので、それに気づいていなかった

貴)「今、何が起こったのでしょう・・・くびが、とても痛いのです」

そう訴えるAの首筋を押さえている指の隙間から、何やら赤いものが滴っていた。

石)「なに・・・?」

何故首を押さえているのか、それを見て男が不審な動きをしていた事を思い出した。

石)「まさかっ!!」

見ることを恐れながらも、Aのその手を首筋から離す

そして、言葉を失った。

貴)「あ、あの?」

目を見開き、震える

石)「まさか・・・」


貴)「っ・・・ああ、そうなんですね?」

もう一度指先で首筋に触れると、焼ける様に痛い部分が長くあった

その時に初めて、謎の痛みの正体が分かった

意識はあるものの、城へ着く前までもたないのだと思ったのは本能というものらしい

中途半端な傷を負わせてくれたものだ、いっそのこと致命傷をにしてくてればよかった。

そうすればこんな・・・三成さんが悲しむ顔は見なくて済んだのに

石)「城へ着いたら早急に手当てをしてやる」

三成は俯き震えている

そして少しAを抱く力が強くなった

貴(お願いだから、そんな顔はしないで・・・・)

ぽつ、ぽつ・・・と、自分の服に温かい透明なしみができる

気付くと前に居た男はいつの間にか姿を消していた

自分の計画が想像以上の効果をあげ、命拾いをしたのだ

しかし、男よりもAの手当てを真っ先にしてやりたかった思いが強く、
その場では男を追いかけず、Aを抱き上げ城へと急いで向かった。

---

少しばかり時間が過ぎた頃、三成に話かける。

貴)「ちょっとゆっくり歩いてもらってもいいですか?」

石)「その様な暇はない」

物凄い見幕で睨みつけてきたが、笑顔で説得する

貴)「まぁそこを何とか!」

手を合わせ、自分がこれほどまでに必死に願ったことがあるだろうかという位に訴えた

石)「少し歩いたら直ぐに走る・・・」

やれやれと言ってにため息をつきながらも、歩いてくれた

貴)「ふふっ、ありがとうございます」

最期まで→←冷静な男



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設定タグ:戦国BASARA , 石田三成 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:おもち | 作成日時:2014年4月12日 20時

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