【あんスタ】白の鳥籠と黒の魔物と 第2部

第32話 〜AfterStory〜 ページ26

「あーあ」


彼女と別れて授業真っ只中。ふと、先程の自分の行動を振り返る



何故か思わず掴んでしまった腕。


『どこにも行かないで欲しい』


我ながら恥ずかしいことをしたような気がする









初めて彼女にあった時、あまりの可憐さに息を呑んだことを憶えている


気高く、美しく可愛らしさのある立ち振る舞いに目が離せなかった




話してみたい

感じたい

触れたい




そして自分のものにしたい

そんな醜くも甘い想いを初めて経験した。


直ぐに恋だとわかった。



ただ、恋と呼ぶにはいささか汚れた感情は彼女に近づく度に増していった。




なにしろ彼女には意中の人が居てこちらに振り向くなど無いに等しかった。






だからこそ僕は彼女が欲しかった。








欲しい、欲しくて堪らない。

自分だけを見つめて欲しい。

自分だけに美しい声を聞かせて欲しい。

自分だけにその笑顔を見せて欲しい。

彼女の何もかもが欲しかった。



だから僕は彼女の全てを壊したし、無理矢理に君を手に入れようとしたんだ。









壊れた君でもどんな君でも僕は君が好きだし、愛している。


本当に



この気持ちは

この気持ちだけは嘘じゃない。



だから









少しでもいいんだ









いや、でも少しじゃ足りないかもしれない









それでも僕が君を本当に想っていることだけは









信じてほしいんだ

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