Honey【葵ゆうた】

wink９ ページ10

「ゆうたくーん？発声入るよ〜？」



「はーい！」



わあ…なんかドキドキしてきた。
二人とも真剣な顔付きで、ヘッドフォンをつけた。



「いくよ？せーの…」



「「〜♪」」」









「う、わぁ…」









あの時と全然変わらない、綺麗な歌声。



更に磨きがかかったみたい。
すごいなぁ…



「…うん！いい感じ！じゃあ今日はどうする？」



「今日は歌中心にやろうよ。」



「そうだね。」



なんか二人ともかっこいい…



別世界にいるみたい…
私なんて、こんななのに…



「…ヘッドフォンから溢れてくさぁメロディに飛び乗って♪」



「どこに行こうどこにだって、自由自在だろう♪」



あ、この歌…！



あの時も歌ってくれた、あの歌だ。



確か…



「…シュガースパイス方程式？」



私がそう口にすると、二人がキラキラした顔でこちらを振り向いた。



「俺達の歌、覚えててくれたの！？」



「あ、はい…一応。」



「わー、わー、ありがとう！」



二人ともホントに嬉しそう。



確かにアイドルの世界って、常に競争だからな…
私もなにか手伝えたらいいのに…



「…そうだ！」



「え？なに？」



「私、歌の指導…？出来るかもです！」



私はふんすとはなをならし、二人を見つめた。
二人は驚いた顔で私を見つめていた。



「指導って…？」



「す、すみません！何様って感じですよね！失礼しました…！」



なに私図々しいこと言ってるんだろう…！
ホント恥ずかしい！



うわ〜…顔真っ赤だ。



「…出来るの？」



「あ、私ちょっと前までずっとボイトレやってて…一応歌手目指してたので…」



「へー、スゴい！じゃあお願いしようかな？」



「えっ」



思わず間抜けな声が出た。



まさかOKしてくれるなんて…



「いいんですか？」



「勿論！よろしくお願いしまーす！」



「は、はいっ！」



私は立ち上がり、二人の前に立った。

wink１０→←wink８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す