Honey【葵ゆうた】

wink２１ ページ22

「俺は、Aちゃんのことを妹みたいな子だと思ってました。」



嫌だ。



聞きたくない。



どうせ、好きなのは私だけ。



ゆうた先輩は私のことなんて…



「でも、いつのまにか妹じゃなくなってました。」



「…え？」



「俺はきっと…ううん、絶対。」









「Aちゃんのことが、好きです。」









「え…」



理解できない。



どういうこと？



ゆうた先輩が、私のことを好き…？



「っ…う、そ…」



「だから俺は、Aちゃんの幸せを願います。」



「…俺は、Aちゃんの幸せが一番ですから。」



バカ。バカ。



なんでそんなこと言うの。



優しすぎるよ。



でもね、私はそんな先輩のことが…



「…バカだねぇ、君も。Aが好きなのは…」



りっちゃんが口を開く。



そのさきの言葉は安易に想像できる。
でもね。



「ごめんりっちゃん！その先は私に言わせて！」



「えっ、Aちゃんっ！？」



私は二人にわってはいった。
りっちゃんはやっぱいたんだ、と小さく呟いた。



なんだ、気づいてたのか。



じゃあ今のを言ったのは…



「…頑張ってね、A。」



「…うん。ありがとう、りっちゃん。」



分かりにくいよ、りっちゃん。



でも、やっぱり優しくて、お兄ちゃんみたいに安心できる。



ありがと、りっちゃん。



私は去っていくりっちゃんを見つめ、その背中が見えなくなると私はゆうた先輩に向き直った。

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