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episode8 ページ8

御幸




『……東京選抜?』


御「そ、国友監督からお声がかかってよ」




5月に入ったきつきつの日程表を眺めているAに東京選抜に呼ばれたことを伝える



『この時期に?』


御「なんかアメリカのチーム呼ぶのにこの時期になったらしい」


『ふーん』




3日だし


バッテリー間の問題はないだろうし


倉持とゾノがいるからチームのまとまりも心配してない




『まぁ、いいんじゃん?』


御「軽くね?テンション」




思ったよりも興味無さそうだ




『そぉ?さすがに同地区バッテリーはないだろうけど、成宮間近で見るチャンスじゃん』


御「そうなんだよなぁ」

「ま、楽しみではあるよな」





自分の部屋のようにゴロゴロくつろぐ俺を無視して日程表を眺めるA

その横顔が、あまりにも綺麗だと思った





御「なぁ」

『ん?』

御「今日、一緒に寝ね?」

『……は?』




こいつは何言ってんだみたいな顔




御「お願い」


『……ハァ』



まだいいよなんて言われてないのににベッドに転がった俺の隣に、小さく溜息を吐き、寝転がってきた







御「いい匂いする」






Aの背中にぎゅーっと抱きつくと、ふわりと香る匂いに安心しきってしまう








『何が…不安なの』




しばらくAの匂いと柔らかさを堪能していると、静かにそうやって聞いてきた



普段からイチャイチャする名物カップルなんて言われてる俺らだけど


この大事な時期にここまで甘えてくるのは珍しいもんな






御「……不安てわけでもねぇんだけどさ」


「やること多いし…考えること多いし」



『うん……』



御「なんかさ…なんだろ」





上手く言葉にできない




焦っているのか何なのか




ここ最近頭がショートしそうになるけど、無理やり動かしてる感じだった





『そっかそっか…一也、頑張ってるもんね』



『誰よりさ、頑張ってるもん』






Aを抱き締めてる手に、優しく手を重ねられる




いつだって俺を支えてくれる小さな掌





静かに目を閉じると襲ってくる睡魔




もぞもぞとAが動いて、俺と向かい合わせになると今度は優しく抱き締められる






『頑張ってる…一也はすごいよ』




『大丈夫、私がいるもん』



『一也は独りじゃない』



『寝な?朝練前に叩き起してあげるから』









なんて物騒なこと言うんだって思ったけど




優しく撫でられる髪の感覚が心地良すぎて



そのまま眠りについた

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作者名:玲海 | 作成日時:2020年2月13日 22時

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