新婚： ページ4
.
普段から、寝室は分けてある。
結婚式の時、緑間っちに寝室は別にした方が、夫婦は上手くいくと教えて貰った彼女は
"べっ、べつにしよ！"と焦ったような表情をし、俺へ訴えかけてきた。
同じ部屋がよかった俺は、時折休みの前日などはこうして一緒に寝てほしいとお願いをした。
.
彼女の暖かい熱を傍らに感じれば、胸に抱きしめた。
『あっ、えと、涼くん…？』
「ふふ、Aっち〜」
数年前まで、呼んでいた呼び方で呼んでみる。
『…！ふふ、なんですか、黄瀬くん？』
目を細め、懐かしそうに俺を苗字呼びする彼女。
.
彼女と出会ったのは高校の頃。
バスケ部のマネージャーをしていて、一緒に過ごす時間が長かった。控えめなその性格に惚れるまで、時間はかからなかった。
少しずつ距離を詰め、俺のものにすることが出来た。
部内での人気も高く、練習試合なんかした時には他校の連中は彼女にメロメロで、守るのが必死だった。
.
黄瀬くん 、と呼ばれた俺は
「あれ〜？Aも今は、黄瀬のはずなんスけど？」
そういうと
『〜〜っ』
頬を赤く染め俺の胸に顔を押し当ててきた。
『だっ、だって、涼くんが昔みたいに呼ぶから…』
きゅん…
「(なんスかそれ…超可愛いんスけど……！！！！何恥ずかしそうに顔隠してんスか！！天使なんスか？！なに？！ )」
『…涼くん？』
「あっ、いや！なんもないッスよ！」
危ない、危うく心の中を覗かれるところだった…
そんなことを考えていると、唇に熱を感じた
「…！」
彼女からの口付けだった。
『涼くん、私といるのに、ほかの事考えてたでしょっ。』
そういってムスッとする彼女。
ああああ、可愛いいい
「Aの事、考えてたんスよ！
ああもう何でそんな可愛いことするんスか...」
こっちまで恥ずかしくなってきたッスよ…
『えっ…あ？』
彼女は時々、感情に任せ大胆なことをするが
少し経つと冷静さを持ち直し
『何してんだわ〜た〜し〜…っ(小声)』
自己嫌悪に陥る( ? )
「Aからのキスなんて珍しいッスね、そんなに俺のことが好き？」
なんて、彼女の照れた顔が見たくて言ってみる。
すると、
『好きじゃなかったら結婚しないです…っ』
彼女からのカウンターを食らった。
「はは、まいったなあ…」
どう頑張っても彼女には勝てそうにないな。
その後、2人とも眠気に襲われ、寄り添いながら眠りにつきましたとさ。
end.。*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆう | 作成日時：2018年6月30日 3時
