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ジョージ「そりゃ凄い。未玖は主婦してもらってるけど、姉妹でも随分違うんだな」
「まあ真緒は…存分に魔女として活躍すべき人材ですから」
ドラコ「それは否定しない。けれど、僕は真緒に肩の力を抜いていて欲しいんだ、正直僕らは働かなくたって生活に困ることはない」
ジョージ「そりゃそうだろうな」
ドラコ「でも真緒を目の前に、働くななんて言えない。僕のエゴだって分かってるんだーーけど…」
ゆっくりと天を仰ぐドラコは、酔いが回っているに違いなかった。
「ドラコ、そろそろ寝た方が良いです。日本酒がだいぶ回ってるみたいだ」
(篁)はドラコの腕を肩に回させて、ジョージに目配せした。
ドラコ「いや、歩ける。構わない」
「じゃあジョージの手伝いはいらないですね、行きますよ」
ドラコを支えながら姉の部屋へと向かった。
(やっぱり支えが必要じゃないかーーー)
足元がやや覚束ないドラコに心の中に突っ込みつつ、部屋へと辿り着くと、扉をそっとあけた。
真っ先に目に入ったのは、壁にもたれて胡座をかく青龍で、射抜くような視線が刺さる。
反射的にぺこりとお辞儀をして、(篁)はドラコをえいっと布団へ押しやった。
(青龍の威圧感、どっちが主人か分からなくなるレベルだ…)
めくれた布団を姉とスコーピウスにかけて、青龍の膝を枕にするマリアをちらりと見てから、静かに(篁)は部屋の扉を閉めた。
居間に戻って、ふと掛け時計を見ると日付は変わっている。
ジョージ「Happy new year」
ジョージも今気付いたのだろうか。
挨拶を返した(篁)は、こてんと隣に座ってジョージに酒を注ぐ。
ジョージ「あいつ、丸くなったな」
「そうなんですか?」
ジョージ「真緒にだけはずっと甘かったんだろうけどーー…学生時代は対立してたから」
ジョージがそう言ったところで、居間の扉が控えめに開かれた。
ダニエルだ。
ジョージ「お?どうしたー?」
ダニエル「パパ、眠れないよ」
赤毛を跳ねさせたダニエルがジョージの膝の上に座りにきた。
(篁)は立ち上がって「何か飲み物を持ってこよう」とダニエルに笑いかけた。
今日、久々に姉達とその家族と再会した。
その姿を見ていて、自分とケイティのまだ見ぬ子に会えるのが酷く楽しみになった。
ダニエル用の温かいお茶と、ジョージと自分用の水を盆に乗せて戻る。
結局その夜は、ダニエルが寝付くまで姉達やドラコ、子供達のことを語り合った。
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作者名:M.S | 作成日時:2019年9月7日 18時