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放送室 ページ5

『え、っと……、』


言葉が出てこず戸惑う私に、彼女はふわりと笑った。



「Aはそんなに気にしないで。まぁ、気楽にいくよ。」




少し空気が悪くなったところで、午後の授業開始5分前の予鈴が鳴る。

私達は広げていたお弁当箱やらを片付け、席に座る。
今から英語だ。【複雑】の意味を持つ英単語は何だったかなぁと、私は1人思った。









「それじゃあ、伝達は終わり。皆、確り勉学に励むのよー。」



渡辺先生の言葉でホームルームは終わる。
ようやく、午後からの3時間。計7時間の授業が終了した。





「Aー。場所、変えよう!」

『う、うん。』




私は促されるまま教室を出て、別の場所に移動した。




『放送……室?』

「そ。私、放送部員だし。此処なら誰も来ないし。今日の下校の放送、私が担当だし。」

「最後のが1番の狙いだね。」

「まあね。」




放送室、懐かしいな。中学生の頃、何度か利用したことがあった。




「さーて、早速話すかー……の前に、1人紹介しとくね。そろそろ来ると思うんだけど……。」

「ご、ごめん! 遅れた!」




その時、ガチャッという音を立てて、放送室の扉が開いた。

慌てた様子で入ってきたのは、艶やかな黒髪を肩の位置で切りそろえた女の子。





「良いよ良いよ。今始めたとこ。」




どうやら他クラスの子らしく、ホームルームが少し長引いたとか。





「んじゃ、紹介すんね。この子、【緋莉(あかり)】。Aが知りたがってる件の関係者だよ──。」

『あ、えっと、篠原Aです……。』

「Aちゃんね、宜しく!」



緋莉と紹介された女の子は、ニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべている。




「Aは、あのこと何処まで知ってるの?」

『ジサツした子が居るってことくらい。』

「なるほど。なぁんにも知らない訳ね。」

『す、すんません。』





リーダー格の子が、近くにあった棚から徐ろにお菓子を取り出し、いくつか開けた。
そして、ヒョイっと口に放り込むと美味しそうに咀嚼する。





「よし、話すか。」

『お願いします。』

「えっと……そだな、まず結論からいこうか。Aの言う通り、この学校にはジサツ者が出てる。それも立て続けにね。」





私ではない誰かの喉がゴクリと鳴った。当たり前だ。誰も自分の通う学校からジサツ者が出た話なんて聞きたくないはず。





「緋莉はね───ジサツした子の親友だよ。1番最後まで一緒にいた。」

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こおりざとう(プロフ) - れたすさん» コメントありがとうございます! ここから少しずつ、事件と篠原ちゃんの過去が明らかになっていきます。お楽しみに! (2017年4月11日 17時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 最後のせりふっ!続きが気になる途切れ方……更新まってます! (2017年3月26日 22時) (レス) id: c8875f112f (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 狂夜月さん» コメントありがとうございます! もう少し更新ペースを上げられるよう頑張りますね! (2017年2月26日 23時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
狂夜月(プロフ) - 面白いです!がんばってきださい! (2017年2月24日 21時) (レス) id: 0f9e6c0dce (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - みるふぃーゆ@怠惰Girl&Boyさん» コメントありがとうございます! 色々と想像しながら読んでみてください(笑) 更新頑張ります (2017年1月31日 19時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こおりざとう | 作成日時:2017年1月20日 23時

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