パティシエ ページ4
私が小声で尋ねると、3人は眉を顰めた。
そして少し悩む素振りを見せると、同じく小声で云った。
「やーっぱ気になるよなぁ。」
『あ、ご、ごめん。気を悪くさせちゃったかな？』
「……うんにゃ。でも此処では話しにくいなぁ……。詳しくは放課後、これで良い？」
『うん。ありがとう。』
少し悪くなってしまった空気に私がどうしようかと悩んでいると、1人が手提げ鞄の中を漁り始めた。
かと思いきや、私の方をジッと見つめニコニコと笑い始める。
『え、っと……』
「A、アレルギーは？」
『無いケド……』
「そっか、良かった。」
ニコニコと笑い続ける彼女の手には、何やら大きな箱のようなものが乗っていた。
「ふふふ……マドレーヌ、作って来ちゃいました!!」
『……え？』
「いや、さ。昨日、渡辺ちゃんから転校生が来るって聞かされて思わず作っちゃった。」
私以外の2人は、物凄くテンションが上がっているようだが、私は驚きを隠せない。
『作ってくれたの……？ わざわざ……？』
「うん、まーねー。」
『ありが、と……。』
「お礼は食べてから云ってよ！ ほら、どーぞ！」
手の上に乗せられたマドレーヌ。私は1口齧る。
『ぁ、美味しい……。』
「ほんと!? 良かったぁ。」
「こいつにお菓子作らせたらプロ級だからな！」
マドレーヌを頬張り乍ら、2人は笑う。
「えへへ、まあね。」
「将来はパティシエに成りたいんだっけ？」
「うん、そう。」
『パティシエ？』
私が問うと彼女はハニカミ乍ら答えた。
「私、お菓子作り好きで、パティシエに成りたいんだ。」
『凄い。向いてる、大丈夫だよ！』
「あはは、ありがとう。」
でも、と彼女の視線は天を仰いだ。
「問題は、親なんだよねー。」
『親……？』
「
この瞬間、私の血の気が引いた。
私の周りだけ酸素が取り払われたような感覚に陥り、喉がヒュッと鳴った。
『あの、頭が良くて有名な学校だよね？』
「そーそー。日本で一番頭が良いって言われてる学校。
幼稚園から大学までエスカレーター式なんだけど……常に成績を気にしてて、下位の人は辞めさせ、全国模試とかで成績の良い人を推薦で入れてるって噂。」
『その、帝明星学園が如何したの？』
「私、其処を受けたけど落ちゃってさ。でも両親は諦めきれず、入れ替えで私が入るのを望んでる。」
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こおりざとう(プロフ) - れたすさん» コメントありがとうございます！ ここから少しずつ、事件と篠原ちゃんの過去が明らかになっていきます。お楽しみに！ (2017年4月11日 17時) (
レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 最後のせりふっ！続きが気になる途切れ方……更新まってます！ (2017年3月26日 22時) (レス) id: c8875f112f (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 狂夜月さん» コメントありがとうございます！ もう少し更新ペースを上げられるよう頑張りますね！ (2017年2月26日 23時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
狂夜月(プロフ) - 面白いです！がんばってきださい！ (2017年2月24日 21時) (レス) id: 0f9e6c0dce (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - みるふぃーゆ@怠惰Girl&Boyさん» コメントありがとうございます！ 色々と想像しながら読んでみてください(笑) 更新頑張ります (2017年1月31日 19時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こおりざとう | 作成日時：2017年1月20日 23時
