おにぎり宮でアルバイトするお話【宮治】

第10話 ページ11

治「まあ、ちょっとなあ、

懐かしいなぁ！」




宮さんはそういう時何かを思い出したかのように、目を細めた。




私は黙って眺めていると、




治「履歴書ありがとうな！

個人情報はちゃんとするから大丈夫やで。


ほんで、今日は何してもらおかなぁ…」






そうだ。


今日から私は働くんだ。


お金をもらってやるからにはちゃんとしなさいって、お母さんに言われた。







治「せやなぁ、Aちゃん女の子やし、

今日は、店内の細かい飾り作ってもらおかな。」



そう言った宮さんは店の奥に消え、戻ってきたかと思うと段ボールを抱えていた。




治「ここにな、商品名と商品の説明書いてある一覧あんねん。

それ見ながらラベル作って欲しい！」



段ボールを私に渡すと、宮さんはニコッと笑って、



治「あそこの机と椅子、好きに使ってええから、お願いするわ。

完成したお手本とかもそん中入っとると思うし、分からんことあったら聞いてなぁ。




俺も女の子のバイト雇うん初めてで、
どうしたらええかわからんねん！」






そんなこと言う宮さんの笑顔が、私にとって、あまりにも素敵に見えてしまって、




「は、は、はい！がんぶぁりまふ！！！」




思いっきり噛んでしまった。









治「……っ」



恥ずかしい…と思いながら宮さんを見上げると、


口に手を当てて笑いを堪えていた。






「わ、笑わないでくださいよっ…！」




治「…！笑っとらん！！

知らない人をいきなり笑うどっかの誰かさんとはちゃうねん！

ほい、さっさと仕事しぃ！」





「なっ…、すいません…！」







こうして私の、おにぎり宮でのバイト生活が始まった。

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