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26話 ページ26

「と言うことなのでお二人共お帰りください。」

「と言うことなのでお邪魔します。」



噛み合わない二人の会話にAは頭上にはてなを浮かべる。





「むいちゃん、もう用事は終わっちゃったの?」



無一郎が帰ってしまうのだとわかるや否や、少し残念そうな表情で眉を下げるA。

無一郎が心中悶えていたことは言うまでもない。



「…………なら、特別です。
Aに初めてできたお友達(・・・)ですもんね。」



しのぶが“お友達”という言葉を強調したことには敢えて何も触れないでおこう。

しのぶからの言葉に無一郎とAはパァァっと目を輝かせた。



「むいちゃん、行こ。」

「うん。」



二人は仲良く並んで蝶屋敷の中庭に歩いて行った。
互いに顔を見合わせて笑い合いながら。

その姿はとても仲睦まじげで見ているこちら側まで心が温かくなるような情景だった。








頬が緩み切っている無一郎の後ろ姿を見つめながら、不死川は目を細めて言った。



「胡蝶、あいつはお前の妹といる時だけは年相応の姿をしてると思わねェか?」



風が吹く。
さわさわと優しい音と共にその風はしのぶの羽織をふわりと揺らした。

しのぶは不死川の言葉に目を瞑り、そしてこう発した。



「…ええ、とっても。」



__あの子といる時の彼は、とってもとっても優しい目をしている。



齢十四の少年が柱になると聞いた時は本当に驚いた。
まさか自分の妹と同じ歳の子が柱になるだなんて、最初しのぶには想像もつかなかった。

そして彼を初めて見た時に唖然とした。




「(…瞳に何も、宿っていない…。)」




ただただ鬼の頸を斬るだけのお人形さん。
そんな言葉で形容できてしまうような陰りの落とされた少年だった。



でも、あの子といる時だけは。あの子の話をしている時だけは。

優しい笑みを零し、たくさんのことを考え、心の底から幸せそうな表情をする。



大事に大事に育ててきた妹を誰かに渡すことなんて、到底無理な話だと思う。

でも、もしかしたら。
彼になら、託しても良いのかもしれない。


そんな考えすら脳裏を過ぎるようになってしまった。









「(…今はただ、二人を見守ってあげたいと思うようになってしまったわ…。)」

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ピクルス - 号泣 (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス -  うわぁぁぁぁぁぁぁあん!無一郎くん死なないでぇぇぁえぇぇぇぁあぇぁあええ (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - わたぬきくん。さん» お祝いのお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りでございます!最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
わたぬきくん。(プロフ) - テスト期間終わってきたら完結してた…ああもう号泣です!完結おめでとうございます!(泣) (2020年8月29日 14時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - リムさん» お祝いのお言葉と応援のお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて光栄の極みでございます…!本当に感謝の限りです。最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月27日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月23日 20時

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