36こ目 ページ36
最悪の場合を考えて駅まで走っても、落ち着かなかった。
行くあてもなく彷徨った私の足は、自然と教会に向かっていた。
協会では院長先生の葬儀が行われてる。
その様子を、柵の外から私は眺めた。
花屋を探せ・・・
乱歩さんの言葉を聞いて、おそらく敦はまともに捜す。
彼の真相にたどり着く。
そうしたら、私は・・・どうすれば良い？
私の秘め事を知る者は、
もう誰もいなくなった。
そのまま協会の外で呆然としていると、電話がかかってきた。
着信者は、敦。
「もしもし姉さん。僕ら・・・誤解だったんだ」
その言葉だけで、理解するのは十分だった。
敦は真相にたどり着いたんだ。
『・・・うん。ちゃんと聞く。だから・・・教えて』
敦「院長先生、僕らのことを閉じ込めたりしていたけど・・・それは、僕の異能力を隠し通すためだったんだ。そして・・・」
敦が、全部知った。
懲罰隔離をされたのは異能力を隠すためだったこと。
私たち双子に厳しく当たったのは、社会に出てから困らないようにするためだったこと。
そして、院長先生があそこにいたのは・・・
敦「花束を、買うつもりだったんだ」
『・・・・・・花束』
だから花屋。
銃は・・・換金するために持っていたのか。
敦「プレートと花束が予約されてて・・・プレートには・・・敦、Aって。僕らの記事を読んで・・・多分、激励に」
『そう・・・だったのね。
・・・ねぇ敦、
君はもう・・・・・・・・・大丈夫だよね』
心の奥がぽっかり空いてしまった気分。
良くも悪くもない。
欠けてしまったような・・・
敦「え？姉さん・・・？今、どこに？」
ピッ・・・！
話の途中だけど、電話を切ってしまった。
あのまま電話で敦の声を聞いていたら・・・
きっとそのまま泣いてしまうから。
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出雲(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます！太宰さんは何でも分かってそうだって印象です！次回も頑張ります！ (2017年8月26日 16時) (
レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - お疲れ様でした！太宰さんが些細な会話に違和感を持っているところが流石だなと思いました！ありがとうございました。次作も頑張って下さい！ (2017年8月26日 12時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - 梅雨風夏さん» コメントありがとうございます！今回は個人的に伏線を多く使ったつもりでした！なので伏線について評価してもらえるのはすごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2017年8月25日 21時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
梅雨風夏(プロフ) - 完結、おめでとうございます！伏線の貼り方が迚も上手で驚かされました！これからも頑張ってください！ (2017年8月25日 21時) (レス) id: 306f9f397d (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 分かります！私弟いるのですがもう生意気で生意気で…。でも敬語外した敦君みたいな弟ならうぇるかむ!です！ (2017年8月25日 11時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：出雲 | 作成日時：2017年6月28日 9時
