人間を愛した喰種は優しすぎました【東京喰種&黒バス】

■３４■ ページ34

貴方サイド


『みんなのとこ・・・・行かなきゃ』


僕はそんな事を思いながら教室へ向かっていた。

頭が痛い・・・フラフラする。

僕はうまく歩けないほど、身体のバランスが取れていなかった。


((ガラララッ


教室のドアを開けると、皆の視線は僕へ移る。

僕は自分の席へ行こうとするが、フラついて他の机にガタガタと当たる。

うぅ、ごめんねぇ。

僕はそのまま机へ向かう。

が、その時。


赤「遅い、待ちくたびれたぞ」


倒れそうな僕の目の前に赤司くんが立っていた。

その目は、何も無かった。

何も"亡"かった。

？僕を、待ってたの？

あは、嬉しいな。

そんな事を思ったのも束の間。


『がっあぁ⁉︎』


腹部に走った激痛。

辺りを見ると、みんなが僕を見下ろしている。

っていうか、あれ？あれ？なんで？

なんで人の反射的行為が、喰種である僕に？


(お腹空いたなぁ)


ふと、そんなことを思っていたことを思い出す。

っ・・・あれかぁ。

みんなは、倒れる僕に次々と蹴りを入れる。

痛い、痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイイタいいたい痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

演技なんてしなくても涙は自然と出てくる。

あ、あは！大丈夫大丈夫。

みんなが笑ってくれるなら。

笑って、くれるなら・・・

涙で顔がグシャグシャな僕は、みんなを見る。


全「「・・・・」」


誰一人、笑っていなかった。

ただただ、無言で、僕を蹴り続けている。


『なん、で・・・っぐぁ⁉︎』


なんで笑ってないの？


『っ・・・あ"あ"ぁ⁉︎』


いつも笑ってたよね？


『うぅ・・・・ぐっ』


なのに、なんで？

楽しくなくなった？

ねえ、なんでなの？

みんなが笑ってくれる為に、僕、いっぱい頑張ったんだよ？

笑ってよ、笑ってよ、笑ってよ、笑ってよ。

・・・・あは、あははは！


『あはははははははははははははははは⁉︎』


突然、笑いが止まらなくなった。

みんなは固まったかのように動かなくなった。

僕を、壊れたとでも思っているのだろうか。


『あははははは！もういいやぁ！』


もう、いい。

みんな笑ってくれなくなった。

みんなを笑わすことのできない僕に、

存在理由は無い。


そこからの記憶は、あるかどうかも分からない。

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