10.うさぎ ページ10
桃太郎「毎週このアニメを見てるんですけど、楽しいんですかね?」
A「直接聞いてみればいいじゃないですか」
桃太郎「聞いたところでうさぎはしゃべりませんよ」
A「動物をしゃべらせることのできる薬がありますよ」
桃太郎「翻訳こんにゃくみたいな?」
A「それとはまた違います。あれの効果は食べた人だけですよね?
動物やロボットに使ってるシーンがありましたが、よりによってなんでこんにゃくなんですか?」
桃太郎「韻を踏んでるからなんじゃないんですか?」
A「その考え方が安易ですよね。日本人しか食べないこんにゃくを、どうして外国人や動物が食べてくれると思ったんでしょう?」
桃太郎「…確かに」
A「まぁ、薬を与えた所で動物の性格は変わらなかったんですけどね」
桃太郎「そうなんですか?」
A「ナマケモノは寝てばかりで。ハシビロコウは目で訴えるだけで。タスマニアデビルは叫んでばっかでした」
桃太郎「それは対象が悪かったんじゃないですか?」
A「それもあります。だから、研究所の所長が可愛がってる猫で試してみたんですよ。ご飯を食べる時に美味い美味いって鳴くって自慢してたから」
桃太郎「実際はどうだったんですか?」
猫「チッ…またお徳用かよ。たまには猫缶ぐらい買って来いよ。頭が良いわけでもないのに、いい給料もらってるんだから。自分ばっかりいいもの食べて、ブクブクブクブク豚みたいに太りやがって」
A「…って言いながらご飯食べてました」
桃太郎「うわぁ…」
A「おかげで減給にされて…本当理不尽ですよね」
桃太郎「所長の気持ちがわからなくもないです…。
そんなの聞いた後だと、怖くてうさぎにしゃべって欲しいと思いませんよ」
A「じゃぁ擬人化してみますか?」
桃太郎「それの欠点は何ですか?」
A「これも耳や尻尾の特徴を残して、ただ身体が人になるだけなんです」
桃太郎「見た目は半獣で、中身は動物のままなんですか?」
A「はい。脳まで変えることは出来ないので、生活習慣や知能はそのままです」
桃太郎「じゃぁ、うさぎを擬人化したとすると…」
A「半獣が糞食します」
桃太郎「夢を壊すような中途半端な薬ばっかり作らないでもらえますか?」
A「じゃぁどんな薬が良いんですか?作ってあげますよ。
誰に与えたいんですか?私が飲ませてあげますよ」
2014.8.8
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時:2014年8月5日 15時