34.112のモルモット生活 ページ34
112は精神年齢に見合った年頃まで幼児化させられ
他の被験体と同じように人体実験をされ続けた
研究員達はモニタリングしながら、112が他の子供とは違う事に気づいていた
「どうして散々食べなかったおやつを、今日に限って独り占めするんだ?」
「どうして他の被験体の代わりを買って出るんだ?」
「自分の置かれている立場も、我々の目的も理解しているのかも知れないな」
「そんな嬉しい事もないが過剰摂取しすぎだろ?これではトマスに怒られるぞ?」
「なら、それを理由にまた移植してもらえばいいじゃないか。
そんな事よりも、112にノートと鉛筆を与えていたんだが…」
「あぁ。夜な夜なこっそり何か書いていたな」
「何を書いていたと思う?」
「ヒーローが助けに来てくれるとか夢物語でも書いていたんじゃないか?」
「それなら子供らしくてまだ納得いくが、そうじゃない」
「じゃぁ何を書いていたんだ?もったいぶらずに早く教えろよ」
「112は観察していたんだ。
どんな実験をした後にどのような症状が出るのか、個体差や確立まで計算していた。
また、症状から原因を突き止め、薬の作用を導き出している」
「被験体と一緒に居ただけだろ?」
「あぁ。ただ同じ空間に居て見ていただけだ。
それだけなのに、症状の緩和方法や治療に必要な成分まで見つけている。
112に化学の知識があれば、あっという間に治療薬を作り上げてしまうだろう」
2014.9.18
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時:2014年8月5日 15時