【鬼灯の冷徹】マッドサイエンティストの臨死体験完結 (ページ27)

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27.モルモット:弐　※グロ注意ページ27

研究室
「112の身体が弱ってます」

「最近入った東洋人の代わりに薬を摂取しているからな」

「112は今までで一番の成功例です。このまま亡くすのは惜しい…」

「それはの身体がか？」

「どちらとも言えません。
我々が最も大切にしてきたのは112の頭脳ですから」

「ならばその頭脳を…まだ使える身体に入れてしまえばいいんじゃないか？」

ざわつく研究室

そして

「またトマス先生のオペが見られるんですか!?」

歓喜に溢れる研究室

「あぁ。人類の進歩の為なら何度だってやってやろうじゃないか。
そして、またお前の才能を見せてくれよ…なぁ、アル」

実験室
どれほど寝ていたのだろう？

今までになく沢山寝てた気がする

身体も心なしか軽い

なのに酷い頭痛がする

「頭が割れそう…」

冗談で言ったつもりの慣用句

しかし、頭に触れるとなぜか包帯が巻かれていた

「本当に…頭を割ったのか？」

でも何のために？

何がしたくてこんな事をした？

傷を見ようと暗い部屋の中、洗面台を探す

鏡に映ったその顏は

「…え？…私じゃない…どうして？どうして君がこの中に居る？」

身体が変わるなどあり得ないが

頭の傷から見て、脳の入れ替えでも行ったのだろう

だとすると私の身体には…君が入っているのかい？

あの体は副作用が蓄積され過ぎてて危険すぎる

君の精神じゃあ耐えきれるはずがない

だから私が一緒に居てあげないと…

同じ部屋の中自分の身体を探す

奥でゴソゴソと物音がする

近づいてみると

亡くなった子達の亡骸を部屋の隅に集め

貪って食べている私が居た

「うっ…うわぁぁぁぁぁ」
研究室
『うっ…うわぁぁぁぁぁ』

「あ～ぁ。戻してらぁ」

「そりゃあ自分が入ってた身体が共食いしてたら、いくら112でも動揺するだろう」

「東洋人は瀕死状態に陥ると共食いをするのか？」

「お前はオペの記録を読んでないのか？
112と東洋人の脳を入れ替えたんだが、112の"元体"は思っていたよりも深刻な状態だったらしくてな。
東洋人の脳を入れた途端脳死してしまったんだ」

「じゃぁ112の身体には誰の脳が入ってるんだ？」

「その辺に居たネズミだ」

「あぁ。だから死骸を食べてるのか。でも、サイズ的に無理なんじゃないか？」

「だから我々の幼少化・成人化の技術が役に立つんだ。
脳を傷つけず、容器の大きさを自在に操り移植することで、偉大な脳を後世へ引き継ぐんだ」
2014.9.5