【鬼灯の冷徹】マッドサイエンティストの臨死体験完結 (ページ2)

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02.牛頭と馬頭ページ2

私が意識を戻したその場所は研究所ではない

ここは野外であって、病院でもない

世界文化遺産にでも登録されそうな歴史ある門が目の前にあった

大きな門は見た目とは裏腹に、軽く押しただけで容易く開いた

中の柱にはご親切にも「←地獄」「天国→」と書かれていた

私は死んだのか？

納得いかない

何がいけなかったんだ？

筋肉・皮下・静脈…注射の位置か？

薬品の濃度が高すぎたと言うのか？

内服薬に変えるべきだったのか？

今まで一度も失敗したことなどなかったのに…

A「うわぁぁぁぁぁ」

死んだことよりも、失敗したことがショックだった

私は天才なのに

異常なまでに天才なのに

まだやりたい研究はいっぱいあったと言うのに

死んでしまっては何もできないではないか

こんな世界なんか…

牛頭「今の叫び声はあなた？」

死後の世界なんか…

馬頭「あら？白装束を着ていないわね？」

牛と馬が…しゃべっている

A「…なんて素敵な世界なんだろう」

偶蹄類が二足歩行している

足の関節はどうなってるの？

手は確かに蹄なのに、何で武器を持っていられるの？

ドラえもんじゃあるまいし、その手の構造はどうなっているの？

色々な疑問で頭がいっぱいになる

こんな非現実的な事あり得ない

A「あなた方のお名前は？」

牛頭「私は牛頭(ごず)」

馬頭「私は馬頭(めず)よ」

A「私は科学者のAです」

牛頭「だから白衣を着ていたのね」

馬頭「エンディングドレスとか、今は変わった埋葬方法があるからね」

牛頭「Aさんは天国かしら？地獄かしら？」

馬頭「悪い人には見えないけど…」

A「しゃべるだけじゃなくて知能もあるの!?人よりも脳みそが小さい被食者なのに？」

牛頭「…口は悪い人みたいね…」

A「ねぇねぇ？よかったらちょっと調べさせてもらえないかな？解剖まではしないから」

馬頭「解剖の手前を"ちょっと"と言っていいのかしら？」

牛頭「私達には手に負えないわね」

馬頭「鬼灯様に相談してみる？」

A「鬼灯様ってどんな人？」

牛頭「地獄の第一補佐官よ」

馬頭「鬼神なの」

鬼？

まだこんな生き物の仲間がいると言うのか？

なんて刺激的な世界なんだろう
2014.8.5