‡ボーカロイドとワタシ‡

ボーカロイドとワタシ　14　・・・我慢・・・ ページ17

「えっ・・・。 な、何・・？」

机を挟んで抱きついた彼女の表情は見えない。 が・・・。

何かを企んでいる事だけは分かった。

「その・・・。 昨日・・・嫌がらせしたコト、謝ろうと思って・・・。」

と、彼女は私の耳元で囁いた。

私は心の中で、(どうせ嘘でしょ)と呟いた。


「本当にごめんっ・・。
　私達、受験生でしょ？ だから、イライラしちゃって・・・。
　私、Aちゃんみたいに頭良くないから・・・。」

彼女は私に抱きついたまま、過去の事を小さな声で語り始める。

「頭良い人が勉強してるの見ると・・・。
　なんか・・・イライラしちゃって・・・。
　だから、嫌がらせしちゃったの！ ごめん！」

ギュウッ と、抱きしめる力が強くなる。

・・本当に・・？ 信じていいの・・・？


「でもね・・・。 私、きっとまた、嫌がらせしちゃうかもしれない・・。
　まだ、悪い物が残ってるだろうから・・・。
　ごめんね？ Aちゃん？」

ゾクッ 寒気が体を走った。 冷や汗で額が濡れる。

彼女は言い終わると、パッと手を離し、後ろへと下がる。

「我慢・・・してね？」

ニヤ・・・と、不気味な微笑みを浮かべる彼女。

「え・・・？」

私が、「何を我慢するの」と聞こうとした瞬間、冷たい物が肌に触れた。


　 ザバアッ


・・・水だ。

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