林檎×さくらんぼ after story 3 ページ11
気が狂いそうだった
ドアを閉め…
布団を被り…
耳を塞ぎ…
いつもなら
絶対に聞こえないはずなのに…
研ぎ澄まされた心には
母さんの…
微かな…鳴き声が…確かに聞こえる
父さんに身体中を、愛されて…
満たされて…我慢できずに
漏れ出る声を必死に堪え…
でも、どこか…悲しげで
苦しそうな鳴き声…
泣いてるの？母さんは？
それとも…
悦…んでるの？
父さんは
どんな風に母さんを愛すんだろう
母さんは
どんな風に父さんに愛されるんだろう
今までも
何度も…何度も…想像して
自分自身を揺らした
そのうち
想像するだけじゃ足りなくなって…
他の誰かを
母さんの身代わりにした
母さんに、よく似た
白い肌
綺麗な髪
豊満な胸に
くびれた腰
声も…瞳も…鳴き声さえもそっくりな
俺の妹…空
俺は…
空を身代わりにした
空の気持ちを知っていながら
空に気持ちを寄せる陸の気持ちを知りながら
それでも
俺は…自分を制御出来なかった
産まれ落ちた日から
ずっと…ずっと見つめて来た母さんへの
気持ちを封じ込める事が出来なかった
それは
きっと…太輔おじさんもそうだったはず
そうだったはずだよ？
産まれ落ちた日
自分の瞳に、映った母さん
可愛い妹…
母さんに、その日、その瞬間から
恋をしたはずだよ…
…
…
…
狂いそうになる自分を
現実世界から解放したくて目を閉じる
あの鳴き声は
俺のもの…
俺が…この唇で落としたくちづけに
母さんが…感じて…
あの苦しげな喘…き声も
俺が、母さんの身体に唇を這わせたから…
そう…
リズムを刻むように軋むベッドの音も
俺と母さんが繋がったから…
繋がったソコが
熱く波を打ってるから…
母さん…
母さん…
目を閉じ
そこに母さんを映し出す
俺に愛されてる母さんを…
俺に愛され
俺に求められて
可愛鳴き声を漏らす母さん
愛してる…
愛してるよ…
母さん…
母さんだけを…愛してる….
ずっと…
ずっと…
永遠に…！
一旦end
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作者名：トウコ
| 作成日時：2018年1月1日 18時
