私を呼ぶのは誰 ページ43
【ごめんよ、君に恨みはないけどうちの姫のお願いだから】
【ちょっとだけ眠ってなさいなっ】
「ま、まじかよ」
さすがのバッカスも後退りした刹那。
一瞬の閃光の後にバッカスは地へと伏していた。
『し、終ーーー了!!
勝者、A・ミナヅキ!!
妖精の尻尾A、10ポイント獲得です!』
静まり返った会場に試合終了のゴングが響く。
「ありがとう、力を貸してくれて」
【なーに言ってんのよ。当たり前でしょ。
それよりあんたは少し休みなさい】
【そうだね、少しお眠り。
安心しなさい。俺たちはいつも側にいる。
またいつでも呼びなさい、すぐに行くから】
その言葉を聞いてAはパタリとその場に倒れた。
_____私は1人夢の中にいた。
走っても走っても抜け出せない闇。
立ち止まって辺りを見回しても声を出しても自分の声だけが鼓膜を震わせる。
見えない恐怖から逃れようとまた、走り出す。
『A』
誰かが私を呼ぶ。
応えたくても走り通しで喉がカラカラに乾いてうまく声が出ない。
『A』
もう一度そう呼ばれれば今度は一筋の光が降り注ぐ。
「 !!」
ようやく絞り出した声と同時に
一瞬にしてその光に包まれた_____
「おっ!気がついたか!!A」
瞼を開くと桜色のツンツン頭が一番に飛び込んで来た。
「み、んな?」
その周りにはギルドのみんなが集まっていた。
「起きたようだね、調子はどうだい?」
ポーリュシカさんに尋ねられ身体を起こして具合を確認する。
「…っ…だいぶ痛みは引いたようです」
「なんて、回復力なんだい。
その刀に感謝するんだね」
そう言ってポーリュシカさんは菊一文字と天羽々斬を指す。
「もう少し安静にしていろ。
おまえが掴み取った勝利は必ず私達が次に繋ごう」
そう言われてエルザにまたベットへと倒される。
「情けないけど私はここまでみたい。
あとは任せたよ、ウェンディ」
どうやらウェンディは完全に回復したようだ。
元気の良い返事が返ってきて安心する。
「さ、次の試合がもう始まってる。
さっさと行きな。
敵の視察も勝利への鍵だよ」
ポーリュシカさんのその一言にみんなが頷く。
「わかった、ばっちゃん。行ってくらあ」
ベットの中からみんなを見送る。
(あの声は一体誰だったんだろう。
あの時私はなんて叫んだんだろう。)
もう一度布団を引き上げ目を閉じるとまたすぐに睡魔はやって来た。
そうして、深く深くまた眠りへと落ちていった。
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秘穏(プロフ) - とても面白いです!スティングの心情がなんか可愛らしくて、ついつい見守っている気分になります笑 あと隠密の回ですが、ラミアスケールだけ片仮名でしたが、漢字だと、「蛇姫の鱗」と書きます。 (2019年9月23日 11時) (レス) id: 3c447ef1a9 (このIDを非表示/違反報告)
Da.Li(プロフ) - 大好きです。また更新してほしいです…気長に待ってます! (2018年12月20日 19時) (レス) id: 9339fc5d80 (このIDを非表示/違反報告)
ZIN - 更新されてる!!楽しみに待ってます!! (2018年6月3日 21時) (レス) id: af655f0d36 (このIDを非表示/違反報告)
Pinky* - すっごいおもしろいです!!これからも頑張って下さい(*^O^*) (2018年1月15日 17時) (レス) id: e284ecfae9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - あんずさん» わあああ(T_T)最近更新が滞っていたのですがそんなコメントいただけてとても嬉しいです(;_;)プライベートが落ち着いたらまた更新しますのでもう少しお待ちください(T_T) (2015年12月31日 19時) (レス) id: 6c22e6ae36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちゃん | 作成日時:2015年8月28日 8時