【FAIRY TAIL】狂おしいほどに

八岐大蛇(ヤマタノオロチ) ページ41

戦況は最悪だった。

『ああーっと、これは一方的な試合！

A選手、バッカスに手も足も出ない！』

(7年の差は伊達じゃないってことね)

バッカスの魔法は掌に魔力を収束するタイプの割とオーソドックスなもの。

でも、そんなバッカスの強さの秘密はその魔法を

最大限生かすための武術を身につけたこと。

劈掛掌と呼ばれる拳法は独特の構えから掌打を得意とする武術。

さらに恐ろしいのは、その拳法に改良を加え

酔・劈掛掌を編み出したこと。

酔った鷹の攻撃予測は不可能。

その上、破壊力も増強される。

でも、問題なのはそこではない。

(…バッカスはまだ、一滴も酒を呑んでいない)

「立てー！！Aーーー！！」

みんなの声が聞こえる。

(まずい、なんとかしないと)

『おおーっとA選手さすがに、膝をつく！！』

『あれだけの攻撃を受けたからねぇ』

『これはA選手、立ち上がれないか？』

周りがやたらとざわざわして聞こえる。

「そう言えば、まだ決めてなかったね」

カタカタと震える足腰で天羽々斬を支えになんとか立ち上がる。

「賭け、私が勝った場合、バッカスたちのギルド名大会中''四つ首の子犬''ね」

ぷぷっとバッカスは笑う。

「オーケーオーケー。それで決まり。

じゃあ、そろそろ決着つけようかね」

そう言うとごくごくと瓢箪から酒を呑みだした。

「来るぞ、A」

会場中が騒めく。

「来いよ、こんな酔っ払いなら簡単に倒せんだろうがよぉ」

「言われなくても！」

力一杯天羽々斬を地に突き立てる。

「八つの頭と八つの尾を持ちし蛇たちよ、汝らに我が血を捧げよう！

八岐大蛇(ヤマタノオロチ)！」

辺りは暗くなり変な風も吹き荒れ出した。

私の傷口から血液が天羽々斬を伝う。

その血が地面へと落ちたその時、八つの首と尾を持つ蛇たちが這い出して来た。

【へへ、久しぶりだなあ、A。

俺ぁおまえの血が恋しかったぜ？】

「はあ、はあ。

うん、来てくれてありがとう。

急ではあるんだけどさ、あいつ、倒せる？」

【ああ、すぐに絞め殺してやるよ】

そう言いバッカスと対峙する。

「おおー、こりゃあ殴りがいがあるねぇ」

バッカスは大蛇を前にしても全く動じない。

「どんな奴を出そうと無駄あああ」

そう言って繰り出したバッカスの掌打。

それは一瞬で7発もヒットさせる威力を見せた。

【ああん？なんか触ったか？】

だが、さすがの大蛇には効いていないようだ。

【そんじゃ、今度はこっちから行くぜ？】

天地開闢せし神→←勘違いって恐ろしい

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