【FAIRY TAIL】狂おしいほどに

勘違いって恐ろしい ページ40

『さあ、本日の第2試合！

四つ首の番犬、バッカス〜！』

待機席へ戻ると丁度2試合目の発表がされていた。

「A、戻ったか」

「おまえ随分長いトイレだったな？

体調悪いのか？」

(そうだ、私トイレに行くって言って来たんだった)

「う、うん大丈夫！なんか緊張しちゃって」

まさか敵チームの選手の心配をしていたなんてとても言えない。

『対するは妖精の尻尾AチームA・ミナヅキ！！』

どうやら私の出番のようだ。

「行ってくるね」

そう言ってみんなに頷く。

闘技場に降りるとバッカスが待ちくたびれたように声をかけてきた。

「よぉ〜、A。

俺らもさっきの奴らみてぇに賭けをしねぇか？」

「賭け？」

(私さっきの試合観てなかったからな)

「俺が勝ったら朝まで1日俺に付き合えよ。

もちろんベットの中までな」

(そんなこと？

バッカスにしては意外と簡単だなあ

まあ勝てばいいことだし)

呑気に思っていると

「おい、てめぇ！！！

そんなこと俺が許すわけねぇだろうが！！！」

と、ものすごい怒号が飛んできた。

見ると先ほどあんなに清々しい笑顔を向けてくれたスティングが

打って変わって鬼のような形相でこちらに身を乗り出している。

心配そうに宥めるレクターとフローが大変そうだ。

もはやローグ達はやれやれといった感じで止める気もなさそうだし。

「いいよ、その賭け乗ったげる」

「A！？」

スティング以外にも驚いた声が幾つか聞こえてきた。

「どんな賭けを持ち出されるかと思ったら。

1日デートすればいいんでしょ？

夜は呑んだくれるとして、私バッカスみたいに

お酒強くないからベットまで用意してもらえたら逆にありがたいよ

私昼まで起きないと思うけど」

そう、にっこり笑って言うと今度は会場がしーんと静まり返った。

(あれ？私なんか変なこと言ったかな？)

「し、商談成立ってことで。魂が震えてくらぁ」

バッカスはAとの噛み合わなさに呆れつつも返事を返す。

「Aーーーー！

何馬鹿なこと言ってんだよ！！

絶対そいつが言ってる意味とおまえが思ってる意味違うぞ！？」

スティングがまたうるさい。

「もー、うるさいなあ。

スティングは黙ってて見てよ」

そう、面倒くさそうに言うとがーんというベターな音まで

聞こえてきそうなぐらい落ち込んだ彼はまたレクターに慰められていた。

『さ、さて、気を取り直して！

こちらも賭けをする流れとなったようですが、2日目第2試合、開始です！』

八岐大蛇(ヤマタノオロチ)→←遠くない未来まで

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