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変わらない気持ち ページ24

あいつの言葉はいつもそうだ。

俺の心を落ち着かせない。

「でも...スティング。それからローグにフロッシュ、レクター。

会えて、嬉しいよ。

また、あなたたちに会えて素直に嬉しい。

8年の時は取り戻せないけれど、

あなたたちは変わらず、妖精の尻尾と同じぐらい大切な存在だよ。

だから、正々堂々勝負しましょう。

大魔闘演武で」

そう、言ってAは微笑んだ。

(今それその顔で言うのかよ....反則だろ..)

今の自分がどんな顔をしてるかなんて、鏡を見なくても分かる。

きっと、頬には赤みが差し、口許はだらしなく緩んでいるだろう。

こんな顔見られたくなくて俯く。

「まあ、私出れるかはわかんないんだけどねっ」

その言葉に顔を上げると今度は悪戯っぽくペロッと舌を出し、笑うAが居た。

「まったく、Aさんは本当に変わりませんね〜、ハイ!」

「フローもそーぉもう」

今度こそもう無理だ。

顔が真っ赤だろうがなんだろうが関係ねぇ。

「だーー!もう!なんなんだよその可愛い顔は!

今俺がどんだけ我慢してるかしらねぇだろ!」

と、叫ぶとAはなんのことかわからないのか、不思議そうな顔をする。

「とにかく!俺はおまえのこともう離す気はねぇの!

後で掻っ攫いに行くから楽しみに待っとけ!」

まだAは何か言いたそうにしていたが金髪女に引きづられて行く。

(絶対、何が何でも大魔闘演武優勝してやる。

元々俺たちには勝つ以外の選択肢なんてねぇけど。

勝って、今度こそAを手に入れるんだ。)

抱きしめた時、予想以上にAの身体は小さく華奢だった。

そして柔らかくいい匂いがした。

それが俺の萎んだはずの欲望を更に掻き立てる。

(Aとまた一緒に暮らせるようになったらしばらく部屋から出してやらねぇ。

しばらくは仕事にも行かねぇし、ずっと2人でいるんだ。

あ、でもレクターが居るとこではさすがに

できねぇからな、なんか考えとかねぇと)

「スティング、おまえ今変なこと考えてるだろ」

「んなっ!バカっ!そんなわけねぇだろ!」

(こいつ、いっつも人の思考読むんだよ!)

「おまえはわかりやすい。

言っておくが、Aはまだ、おまえのものじゃないからな」

「わ、わかってるよ」

俺は赤面して答える。

「スティング君も男の子ですからね〜ハイ!」

「スティング変態ー」

そんなことを話しながら俺たちも宿へと戻った。

(まあ、今日のところはAに会えた、それだけで良しとしとくか)

不安の始まり→←過去から現在、未来まで



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秘穏(プロフ) - とても面白いです!スティングの心情がなんか可愛らしくて、ついつい見守っている気分になります笑 あと隠密の回ですが、ラミアスケールだけ片仮名でしたが、漢字だと、「蛇姫の鱗」と書きます。 (2019年9月23日 11時) (レス) id: 3c447ef1a9 (このIDを非表示/違反報告)
Da.Li(プロフ) - 大好きです。また更新してほしいです…気長に待ってます! (2018年12月20日 19時) (レス) id: 9339fc5d80 (このIDを非表示/違反報告)
ZIN - 更新されてる!!楽しみに待ってます!! (2018年6月3日 21時) (レス) id: af655f0d36 (このIDを非表示/違反報告)
Pinky* - すっごいおもしろいです!!これからも頑張って下さい(*^O^*) (2018年1月15日 17時) (レス) id: e284ecfae9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - あんずさん» わあああ(T_T)最近更新が滞っていたのですがそんなコメントいただけてとても嬉しいです(;_;)プライベートが落ち着いたらまた更新しますのでもう少しお待ちください(T_T) (2015年12月31日 19時) (レス) id: 6c22e6ae36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーちゃん | 作成日時:2015年8月28日 8時

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