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041 毒に溺れる。 ページ41

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愛してるよって、貴方がそう口にした。




私の髪を貴方の長い指が梳く。



私を抱き締めた貴方の腕に酷く安心する。




貴方が零した言葉は毒みたいに私の心を蝕んで、


私の心を貴方でいっぱいにさせる。





大好きだよって、私がそう微笑んだ。




貴方の首に回した腕に少しだけ力を込めてみる。



俺もだよ、って言葉を私は心の何処かで期待している。




貴方の毒を飲み干して、私は幸せそうに笑う。


毒でもいい、これを貴方が幸せだと思ってくれるなら。









電子音が私の頭に鳴り響く。




規則的に繰り返される朝を告げるアラームを私は消して、重たい体を起こす。




ぼんやりした頭で私はそっと窓に掛かったカーテンを開く。



窓ガラスには幾つもの水滴が細い線を描いていた。




「わ、今日雨か……」



激しくはないけれど、ぽつぽつと地面を濡らす小雨を見て小さく溜息を吐き出す。




窓ガラスに押し付けた手の平から伝わる冷たい感触が、少しだけ眠気を覚ましてくれた。





「……学校、行かなきゃな」



そう呟いて心が更に重たくなるのを感じた。


俯きそうになるのを私はどうにか堪え、支度をする為に行動を開始する。




支度をする間、溜息が吐き出され続けたのはきっと雨のせいだと私は言い聞かせた。









「……うわ、何か元気ない?A」



放課後レッスン室で顔を合わせた凛月に開口一番そう聞かれた。



凛月は頭に寝癖を付けたまま眠たそうに欠伸を噛み殺していた。




校内で見かけないと思ったら、サボって何処かで寝ていたんだろうな。




「ううん、いつも通り」


「ここ最近ずっと元気ないみたいだし確かにいつも通りはいつも通りだけどね」



茶化す様に凛月にそう言われ、私はうっ、と言葉に詰まる。





「顔色悪いしちゃんと食べてるの?」



まるで泉みたいな事言うなぁ、と苦笑いになった私は、はっとする。



……泉、教室で何度も顔を合わせてるのにそんな事1度も言われなかったなぁ。





元々目敏い泉だ、前は良く体調管理が出来ていないとか色々怒られていたっけ。



そうやって色々気付いてくれていたのに、


泉の目に私が映らなくなったのって、いつからだっけ。





「セッちゃんそういう事には煩いし気を付けた方が……」



凛月の言葉に私の体は強く反応して、気付いたらその場から走り去っていた。



涙が滲むのも気にならなかった。





苦しいよって、私の心が叫んでいた。





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とまと。(プロフ) - はるなさん» そう言って頂ける方と出会う事が出来、感無量です…!私には勿体無い言葉の数々を有難うございます、最後までお付き合いして頂けると嬉しいです。 (2017年5月9日 22時) (レス) id: 5b7907730c (このIDを非表示/違反報告)
とまと。(プロフ) - 聖泉さん» そんな嬉しい言葉を掛けて頂いたのは初めてです…!最後まで感動して頂けるように頑張ります。 (2017年5月9日 22時) (レス) id: 5b7907730c (このIDを非表示/違反報告)
はるな(プロフ) - この物語、本当に好きです!このお話と出会えて良かった!続き楽しみにしています。頑張ってください!! (2017年5月8日 23時) (レス) id: 651f5172c0 (このIDを非表示/違反報告)
聖泉 - とまと。さん» 感動しました。このお話を読んでいてよかったです(^^) (2017年5月7日 23時) (レス) id: b0c24886c2 (このIDを非表示/違反報告)
とまと。(プロフ) - 聖泉さん» まだまだ完結まで時間の掛かる2人ですがゆっくり温かい目で見てあげてください…!応援有難うございます(*^^*) (2017年4月15日 14時) (レス) id: efe978ed57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えはら | 作成日時:2016年12月7日 19時

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