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019 今日も変わらず。 ページ19

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それから数日。




毎日放課後の練習が終わる度にレオの家を訪ねてみるけれど、あの日以来レオは顔を見せてくれなくなった。





固く閉ざされた扉の前で私は毎日レオが出てくるまで待っていた。




その間にレオの妹のルカちゃんとよく話す様になり、少しだけだけどレオの話を聞いた。






レオは食事も摂らず、毎日部屋に篭もりっぱなしでルカちゃんですら何日も顔を見ない日が有るくらいらしい。




心做しか、ルカちゃんの顔色は悪く見えて。



大きな瞳を潤ませながらも涙を堪えようとする姿に私も胸が痛くなった。





ルカちゃんもレオが心配で、不安で、


だけど不安に押し潰されないように戦ってるんだ。





そう思った。



小さな体でお兄ちゃんを守りたいんだ。




私は何も言えなくなってただルカちゃんの頭を撫でる事しか出来なかった。





……ごめんね、お兄ちゃんを守ってあげられなくて。



撫でている手の平から小さな震えが伝わって来て、静かに涙を流すルカちゃんを私はただ眺めていた。









いつもの放課後。



使ったタオルやドリンクの容器、CDラジカセを片付けているとふと背中越しに声が掛かる。




「A」




「どうしたの、凛月」




片付ける手を1度止め、振り向きながら返答する。





「……今日も『王さま』の所行くの?」




部屋の隅で片付けをしている瀬名に聞こえない様に小さな声でそう尋ねてきた。




あの一件以来瀬名は練習には参加してくれるけれど、どうも私達はギクシャクしていた。




瀬名は還ってくる気配のないレオに対して怒りを覚える様になり、家にも通わなくなったので



私がレオの家を訪ねていると言い出しにくく、今でも何となく言えずにいた。





「うん、まぁ結果は相変わらずだと思うけどね」




苦笑を浮かべながら私は片付けの手を再び動かした。



対する凛月は俯きがちに顔を伏せ、暗い表情で黙り込んでいた。





「……私がちゃんとレオを連れ帰ってくるから、


瀬名と凛月はちゃんとKnightsを守ってね」




私より随分高い背の凛月の肩に手を軽く乗せ、人差し指で凛月の頬をつつく。





何だか大きな子供をあやしている様に思えてつい頬が綻んだ。





その様子を瀬名が不満そうな表情で見ていたとは知らず、



私は荷物を手早く纏め、今日もレオの家へ向かう為に学校を出た。





またみんなが笑顔になれたらいいと、そう願いながら長く伸びる影を眺めて歩いた。





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とまと。(プロフ) - はるなさん» そう言って頂ける方と出会う事が出来、感無量です…!私には勿体無い言葉の数々を有難うございます、最後までお付き合いして頂けると嬉しいです。 (2017年5月9日 22時) (レス) id: 5b7907730c (このIDを非表示/違反報告)
とまと。(プロフ) - 聖泉さん» そんな嬉しい言葉を掛けて頂いたのは初めてです…!最後まで感動して頂けるように頑張ります。 (2017年5月9日 22時) (レス) id: 5b7907730c (このIDを非表示/違反報告)
はるな(プロフ) - この物語、本当に好きです!このお話と出会えて良かった!続き楽しみにしています。頑張ってください!! (2017年5月8日 23時) (レス) id: 651f5172c0 (このIDを非表示/違反報告)
聖泉 - とまと。さん» 感動しました。このお話を読んでいてよかったです(^^) (2017年5月7日 23時) (レス) id: b0c24886c2 (このIDを非表示/違反報告)
とまと。(プロフ) - 聖泉さん» まだまだ完結まで時間の掛かる2人ですがゆっくり温かい目で見てあげてください…!応援有難うございます(*^^*) (2017年4月15日 14時) (レス) id: efe978ed57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えはら | 作成日時:2016年12月7日 19時

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