ヒツジと狼スピンオフ #tokyo-revengers (ページ3)

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クスリ① ページ3

Side 竜胆

「オイオイどしたァ？静かにしろっつったのが聞こえなかったかァ？じゃあこの耳いらねェよなァ？」

鉄の匂い
薄暗い部屋
恐怖にゆがむ顔
異常を知らせる身体は、恐怖に侵されてただ震えるだけ

見慣れたな、この景色にも

「スクラ―――ップ！！！」

ドン！ドンドン！！！

「今日は一段とキマってんな～三途」

「必殺技みてぇになってね？スクラーップって」

「クソ弱そう」

Aと三途が会わなくなって、それとほぼ同時に
俺らと三途は同じチームとして動くことになった。

もちろん、Aには言わねぇまま。

「りんどー、戻ろ」

「ん」

「前のスクラップショーのが見ごたえあったよな～」

三途に銃突きつけられて(それは別にどうでもいい)

「ぜってぇ言うな」
「巻き込みたくねぇのはお前らも同じだろ」
「お前らが巻き込んだら俺がアイツ殺すからな」

そう、耳に胼胝ができるくれぇ言われてたから。

巻き込みたくねぇのは同じだった
隣でへらへら笑ってた兄ちゃんも、それは同じだったと思う。

俺に銃突きつけてる三途のわき腹に、銃突きつけてたけど。

「Aちゃんは相変わらず社畜してんの？」

「嫌な上司の愚痴、しこたま聞かされた」

「つぶす？」

「Aが願ったらな」

「ハ～～、すぐ殺してあげんのに」

「蘭ちゃんは？ってずっと言ってたよ」

「え～会いに行ってい？」

「俺に仕事投げねぇなら」

「竜胆ばっかしずりー」

三途が得体の知れねぇクスリを飲むようになったのも、
同じチームで動くようになってからだって聞いた。

つまり、Aと離れてからだ。

今までそんなんに手ェ出さなくても
人殴って蹴って、敬ってたやつでさえも自分の手で殺めてたやつが

いまさらそんなんに頼るか？

「…お前さぁ、なんでんなもん飲んでんの」

「あ？お前には関係ねーだろ」

「しかも最近増えてね？ラリってるとき超うるせぇ」

「ハイになれんだよ。解放感っつーか爽快感？気になんならテメェで買えや」

「興味ねぇ」

「死ね」

いつか聞いたことがあった

「…A」

「…」

「今のお前見たらどう思うんだろうな」

ソファに腰かけて首だけこちらに向けていたその顔が
瞬時に感情をなくして、つまらなさそうに舌打ちをする。