クスリ�� ページ4
Side 竜胆
「オイA」
「ん？」
「俺ら今日全員出るから、お前ここから一歩も出んなよ」
「うん。何時に帰ってくる？」
「分かんねェから先寝とけ」
「うん」
「ん」
Aがここにきてから、三途のクスリを飲む量は目に見えて減った
おかげでラリったアイツの声に睡眠妨害されることもなくなったし。
「行くぞお前ら」
「指図すんな」
「あ？」
それから、基本的にアジトから一人で出られないAに合わせるように
家に帰る頻度も、減ったと思う。割かし頻繁に帰るようなやつでもなかったけど。
行ってらっしゃい、と小さく手を振るAの頭を
三途がするりと撫でて
兄ちゃんが「いい子にしてろな〜」てデコにキスをひとつ
「なんかあったら、」
「連絡、する」
「…ん」
「気をつけてね」
俺は、どうしたって兄ちゃんみたいにスムーズにはできねぇから
確かめるみたいに一度だけ抱きしめて、アジトを去った。
「で？今回は全員皆殺し？」
「おー、一匹たりとも逃がすんじゃねェぞ」
「ヘマすんなよ三途〜」
「しねェわ殺すぞ」
クスリが減ったといっても、
「出た」
「皆殺しなんてハイな現場には必須だろーがよ」
誰かを殺めるときには、決まってそれを飲んでるわけだけど。
「お前らは西側の非常口から回れ。九井がセキュリティ諸々対処済みだ」
「どっちが多く殺せたか勝負な〜行こうぜ竜胆」
「んなこと言って数なんて覚えてねぇだろ…」
最近の中じゃ、まぁまぁ大きな仕事だった
「りんどー」
「なに」
「こいつらの首領って殺しちゃだめだっけ？捕まえて拷問？」
「あー、どうだっけ。忘れた」
「まいっか。間違えて殺しちゃっても三途のせいにしよ〜」
蹴破るドア
薄暗いビルの中
襲い掛かるやつからなる骨の音
うめき声
返り血
銃声
硝煙のにおい
「…あ、兄ちゃん」
「んー」
「鶴蝶が待機してっから引き渡せって言ってた気がする」
「そんな気ィしてきた。けど首領の顔覚えてね〜」
「確かに」
血の海になったビルを進めば
俺らと同じように返り血を浴びた三途が立っていた
「あとは？」
「幹部と首領だけ」
「出口は？」
「モッチーが見張ってる。他の出口はもう機能してねェ」
「サクッといっちゃおうぜ〜」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：san | 作成日時：2021年11月28日 17時
