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「お待たせ致しました、どうぞ」
「……美味しい。これ、ベルモット？後味の苦味が少なくて気に入ったわ」
「ありがとうございます。ご明察の通り、当ホテルオリジナルのベルモットでございます。数十種のハーブ類に加えて、桜の花を香り付けに使用しております」
「そう、だから飲んだことの無い味だったのね」
満足気に頷いた女は、グラスに僅か残った試飲分のワインを全て干し、「今度はちゃんと一杯、いただけるかしら」と首を傾け微笑んだ。ホテリエはにこやかに笑みを浮かべてそれに応える素振りを見せたものの、どういうわけか一向に、ボトルを傾けようとはしない。
不審に思った女は、催促の声をかけようとしてようやく、己の身体に生じる違和感に気がついた。
「ねぇ、おかわりをお願いって言っァのらけれォ……ぅア、どう…ぃて、舌が、まぁらな…」
「そのご様子ではお注ぎしても無駄になってしまいそうですので、ワインはこれまでに致しておきましょうか。…ふふ、安心して。ちゃんと一時間くらい苦しんだら死ねるわよ。せいぜい息絶えるまで、自分があの子にやったことを後悔するのね」
顎に手をかけ、皮をはぐようにして顔を覆ってた偽の表情を剥ぎ取ったホテリエ。剥がれたマスクの下から現れたその美貌に、女は訳も分からぬまま繰り返し回らぬ舌で何故、誰、どうして…と問う。
尋ねる間にもその身体は徐々に傾いで、やがて柔らかなビロードの床の上に、ゴトリと鈍い音を立てて滑り落ちた。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - シリーズを繋ぎ直しました！続きを読む、で次の話に飛んでいただけます！ (8月14日 23時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 点Ｐさん» ごめんなさい、コメントいただいて初めて次の話にシリーズが繋げられていなかったことに気づきました！まだ続きもupしてあるので、お楽しみいただけると幸いです！ (8月14日 23時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
点Ｐ - 追いつきました…最高です！今まで見た中で一番好きです！最新頑張ってください！ (8月14日 21時) (レス) @page50 id: 7d48b43935 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» ありがとうございます！これからもお楽しみいただけるよう頑張って参ります！！ (7月4日 21時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです！今、一番好きな作品です 更新頑張ってください！！ (7月4日 12時) (レス) @page50 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2023年3月11日 21時
