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「ん。…よし、できた。包帯ちゃんと巻けてるか確認したいから、背中見せてくれ」
この話題はここまでと見切りをつけたのか、作業を再開したAに促され、仰向けに転がる。
俺はまだAの主張のすべてを認めたわけではないし、Aの方も俺が完全には納得していないことに気づいているだろう。だが、Aが切り上げることを選んだ以上、俺もそれに異を唱えるつもりはなかった。
無二の存在とはいえ、所詮Aと俺とは根本的には生まれも育ちも全く異なる他人だ。価値観や思考に差異があるのは当然のこと。
必要があれば妥協点を求めて論じることも、一方が折れて相手に合わせることもするが、今回の件についてはその必要も無いという判断だった。
必要性の低い価値観の統制は、視野を狭める。組織では当然それを逆手にとった構成員の統制なども行われているわけだが、まぁ、それについて論じる必要も今はないだろう。
余計なことを喋る代わりに、俺は先ほどから抱いていた疑念を口にした。
「…てめぇはキールがCIAだと言っていたが、それにしては随分とこれまでの行動履歴が潔白だ。余計な場所へ顔を出している形跡も無ければ、任務と仕事以外で組織に関係のない人間に接触したという報告もほとんど無ぇ。CIAへの報告や連絡は、どんな手段を使っている」
「推測にはなるけど、CIAには、何も相談できていないはずだ。元々キールは潜入捜査じゃなくてただの連絡員の予定だったから準備は整えられなかったはずだし、中継役の人間もイーサン・本堂の死亡と同時に始末されてもういない。キールとCIAの繋がりは、キール本人の思想と、かつての所属履歴以外に一切存在しないはずだ」
「…CIA側は、キールが裏切ったと勘違いしているわけか」
「可能性は高いと思う。父親が死んで間もない内に機会を狙ってCIAに戻って事情を説明していれば、無事に迎え入れてもらえたかもしれないけど…汚名を負わされてでも、正義の遂行を望んだんだろうな」
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
