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[-ジン’s side-]
「で、キールとの付き合い方は今後どうなる予定だ」
「んー、とりあえずジンはこれまで通り接してくれれば大丈夫。でも、もし万が一の時が来たら見逃す努力はしてほしいかな。多分暫くは来ないと思うけど」
少し前までの不安定な様子はなりを潜め、すっかりいつも通りの調子に戻ったらしいAは今、甲斐甲斐しく俺の世話を焼いていた。
上から下まで一枚も残さず服をはぎ取ったかと思えば、わざわざ温めて持ってきたらしいタオルで俺の四肢を拭ったり、医者からの指示通りに傷口への消毒やら包帯の取り換えやらといったケアを嬉々として施している。
否を唱える暇もなく素っ裸に剥かれた身としては言ってやりたいことも色々とあったが、他ならぬAが楽しそうにしているのだから、それでいいかと溜息ひとつで全てを流す。
「そうか。組織も随分と、内部から食い荒らされているらしいな」
「ああ、それだけ色々な人の恨みを買ってきたってことだろ」
「恨みなんざ、真っ当に生きてる奴らだって買ってやがる。組織に向けられた感情は、そんな可愛らしいモンじゃねぇだろう」
思っていることをそのまま口にしてやれば、動かしていた手を止めたAが不思議そうにこちらを見つめて首を傾げる。
「確かに組織に向けられてる感情は生優しいものじゃないとは思うけど、一般人の中にも同じくらい熾烈な感情を向けられるようなことをしている人はたくさんいるんじゃないか」
「何が言いたい」
「その…ジンは、真っ当に生きてる人を凄いみたいに言うことがあるけど、俺は、そんなに大した存在じゃないと思ってる。
たまたま生まれた場所と環境に恵まれて、偶然、人なんか殺さなくても生きていけてるってだけで。努力しなくても生きていることは許されて、ちゃんと権利も認められて、教育だって社会保障だって、この国に生まれて “真っ当” に生きている人は、ほとんどがその全部を与えられてる」
「だがその分、義務を果たしたり法を守ったりといった面倒なことには耐えているじゃねぇか」
問い返せば、Aがふるふると頭を振ってそれを否定する。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
