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ベタベタ 18日目 ページ43

「トガちゃんの髪、まとまんないなあ」


私はアジトの中でそんなことをぼやいていた。


理由は少し前に戻って、30分前。


私がトガちゃんに、「トガちゃんがポニーテールしたらどうなるんだろう」って言ったこと。


軽い気持ちで言った一言にトガちゃんが興味を示し、「やって」と髪をほどいた。


キラキラした瞳で見られたら、どうしようもない。


私はポーチに入っていた櫛を片手に、トガちゃんの髪をまとめようとして、今に至る。


何故だかわからないけれど、櫛がいい感じに通らない。


ボサボサッてなっているんだよね。


さっきまでお団子にしていたから、すぐにはまとまらないとは思っていたけれど。


さすがに30分は想定外だ。


でも、トガちゃんが小刻みに肩を揺らして楽しみにしているから諦められない。


「トガちゃん、痛かったら言ってね?」


そう断りをいれて、櫛を強引に通す。


これなら、いけそう。トガちゃんも「痛い」って言っていないし。


手早く終わらせてしまおう。


一気にたくさんの束をすると絡まってしまうから、少しずつ。


そして5分後、トガちゃんの髪がストレートっぽくなった。


完璧なストレートってわけではないけれど。


ここまで来れば、あとは1つに結ぶだけ。


私は櫛を使いながらまとめあげた。


「よしっ、できたよトガちゃん!」


そう言いながら私は櫛をポーチにしまい、代わりに鏡を取り出す。


「ありがとう、Aちゃん

 なんだかいつもと違う!!!」


椅子から立ち上がってくるくるしているトガちゃんにそれを手渡した。


頭の後ろで金色の髪が揺れている姿は新鮮で、見ていて楽しい。


鏡で自分の髪型を確認したトガちゃんは「すごい、とっても素敵」と呟く。


そんなに喜んでもらえると、私も嬉しい。


「そんなにはしゃいで何してる...

 おい、A トガを止めろ、邪魔」


そう言いながら、死柄木さんが入ってきた。


前日の仕事でお疲れのようだから、入って早々これはキツいか。


私はわかりました、と死柄木さんに返事をしてトガちゃんの手を握る。


「トガちゃん、死柄木さん帰ってきたし、座ろう?」


そう言うと、トガちゃんは頬を膨らませた。


あれ?私変なこと言ったっけ?


「私よりも弔くん優先ですか?」


ああ、そういうことか。


私はトガちゃんの気持ちを理解した。


「ううん、違う でも、リーダーは死柄木さんだから

 指示には従わなきゃ、でしょう?」


説明するように言うと、トガちゃんは「そっか」っと安心した表情を見せた。

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鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます!トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です! (2020年8月21日 21時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です!、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます!トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです! (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年9月19日 23時

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