【ヒロアカ】今日もトガちゃんと【トガヒミコ】

ベタベタ　１７日目 ページ42

私が朝起きると、物が焦げた臭いがした。


ん？


なんだろうと思い布団から出ると、キッチンにトガちゃんが立っていた。


トガちゃんはフライパンの前に立ち尽くしている。


「おはよう、トガちゃん

　...どうしたの？」


黒い煙が出る、なんてことはないけれど焦げ臭い。


心配になって声をかけると、トガちゃんがこっちを見る。


「Aちゃんおはよう！

　んー、大丈夫じゃない!!焦げた！」


そう言いながら、笑顔を見せるトガちゃん。


さすがだなあ、いろんな意味で？


「そっか、何を作ろうとしたの？」


近付きながら訊いてみると、オムレツ、と元気よく答えてくれる。


フライパンの中身を見ると、黒っぽい物があった。


黄色いところがあるから、卵料理なのはわかるけれど、オムレツ？


「Aちゃん、昨日のアレで疲れてるみたいだったから、朝御飯作ろうと思ったの」


その言葉を聞いただけでもう満足だ。


焦げてる？トガちゃんの気持ちがこもっているのなら、そんなの関係ない。


「ありがとう、トガちゃん お皿に移していい？

　ご飯の準備、一緒にしよう トガちゃんのオムレツは私が作るから」


そう言うと、うん！と頷いてくれる。


んん、かわいい。


私はフライパンのオムレツを皿に移し、もうひとつオムレツを作る。


そして、トガちゃんと一緒に手早く朝御飯の準備をして、テーブルにつく。


一緒に、手を合わせて箸を手に取った。


トガちゃん作のオムレツの味はいかに...？


なんてことを考えながらオムレツを口に運ぶ。


「ん、焦げてるけれど不味いというほどでもないかな

　よかったら、また作ってほしい 一緒に料理したい！」


そんな風に提案すると、考える素振りを見せる。


何か不満でも、あるのかなあ？


私が首をかしげていると、トガちゃんは説明するように言葉を紡ぐ。


「楽させてあげたかったのに、結局やらせちゃったなあって今思ったの

　一人で出来るようになりたい！」


...そんな風に考えてくれていたなんて、嬉しいな。


「そっか、それなら最初は一緒に練習しよう？

　少しずつ覚えていこう」


そう言う提案をすると、そうだね！と笑ってくれる。


その笑顔を見るだけで、なんだか幸せだ。


もう、トガちゃん中毒なのではないだろうか。


そう考えてしまうほど、トガちゃんが好きだ。


　

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