【ヒロアカ】今日もトガちゃんと【トガヒミコ】

ベタベタ　１０日目 ページ34

「Aちゃん...」


トガちゃんが私を見つめてくる。


ああ、こんなこと言って引かれちゃったかなあ。


トガちゃんには嫌われたくなかったんだけれど。


そううまくはいかないのか、なんて考えながら首を軽く傾ける。


「いいね！それ！私も協力したい!!!」


トガちゃんはいつもみたいに瞳を輝かせてそう答えた。


予想していなかった言葉に私は「え...??」と戸惑うような声が出る。


トガちゃんは私の反応が嫌だったのか、プクッと頬を膨らませて、視線をずらした。


「私がAちゃんを否定することなんてないの

　例えどんなことを言っても それに、今の言葉を言っていたときの目、素敵です」


トガちゃんの言葉に敬語が混ざるときは、照れているときだ。


私を責めようと思ったのに、逆に誉める展開になってしまって照れているんだろう。


かわいいなあ。


だから、ありがとう、と呟きながらギュッと包むように抱き締めた。


「過去にあったこと、話せなくてごめんね。あの人には、トガちゃんを関わらせたくないの

　でも、私はトガちゃんと一緒がいい

　ねえ、協力してくれない、かなあ...」


本当は、あの人のことは自分の力だけで清算すべきだと思う。


けれど、本当に一人でできるのか自信がない。


トガちゃんの言葉があったからか、弱音が溢れ出てしまった。


トガちゃんはそんな私の言葉を優しく受け止めてくれる。


「いいよ、Aちゃん

　過去を話せないのも、思い出したくないからでしょう？それなら訊かない

　協力も、する 一人で危ないことさせたくないもん」


はあ、本当にトガちゃんは......


私はありがとう、と言う代わりにこう言った。


「大好き」

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