ショッピングモールで ページ12
ショッピングモールってすごいんだなあ。
トガちゃんと手を繋ぎながら色々見て回ったのだけれど、キラキラしている。
光で溢れていて眩しい。
隣にいるトガちゃんもそうなのかなあ、なんて思いながら様子をうかがうと
「あの人、Aちゃんの足を嫌らしい目で見てる
刺してこなくちゃ
あの人も、そこの人も、みんなAちゃんを嫌らしい目で...」
すれ違う人に殺気を向けていた。
私を嫌らしい目で見ているらしいけれど。私たちの方を見ている人はいない。
「トガちゃん?私たちの方を見ている人なんていないよ」
そう声をかけてみるけれど、いいえ、とトガちゃんは否定する。
「私にはわかるの 安心してね、Aちゃんに手を出す奴は私が刺すから
そうだ!ゲームセンター行こ!!面白いものがあるんだって」
唐突に話をグルッとかえたトガちゃんに驚きながらも私は足を進めた。
私を守ってくれるつもりなのか、トガちゃんの右手にはナイフが隠されている。
へへ、なんか嬉しいな。
ニヤニヤしていると、変な人だと思われるので、顔には出さず、心の中でにやける。
それでも、少しだけ口角が持ち上がってしまう。
「どうしたのAちゃん?」
トガちゃんが不思議そうに顔を覗き込んでくる。
「んー、トガちゃんの気持ちが嬉しいなって思って?」
軽い感じで流しながら、私たちはゲームセンターへ向かう。
そして、騒音が近付いてきた。
「ゲームセンター...」
ショッピングモールの出入り口でしていたように、また立ち止まってしまった。
見たことのないゲーム機がたくさんあって、つい立ち止まってしまう。
「初めて?」
横にいるトガちゃんがそう聞いてきた。
まあ、こんなところで嘘をつく必要もない。いや、トガちゃんに嘘をつく必要がない、か。
から、私は頷いた。
すると、トガちゃんはニヤッと笑う。
...?
「私、Aちゃんの初めてもらっちゃうね
嬉しいなァ初めて!Aちゃんの!」
「初めてもらうって、そんな大したことないよ?
ゲームセンターに入るだけ」
そう言ってみると、トガちゃんは分かりやすく頬を膨らませる。
「そんなことは関係ないの!
Aちゃんの初めてって言うのが大事!!」
力説されてしまった。
ここまで言われては、反論もできない。
「うん、私の初めて、トガちゃんにあげちゃったね」
そう言って笑うとトガちゃんも笑ってくれた。
そして、ゲームセンターで新感覚ゲームというものをやり、十分満足してから
ショッピングモールを後にした。
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鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます!トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です! (2020年8月21日 21時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です!、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます!トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです! (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年9月19日 23時