検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:42,710 hit

ベタベタ 3日目 ページ3

「待ってたよ!Aちゃん」


私が(ヴィラン)連合のアジトに入ると、最初に聞こえるトガちゃんの声。


それに加えて今日はなんだかいい香りがする。


何だろう...?


そんなことを疑問に思いながら、私はカウンター席に座る死柄木さんの隣に行く。


「おはようございます、死柄木さん、黒霧さん」


挨拶をすると


「ああ」


「おはようございます、Aさん」



二人がそれぞれ挨拶を返してくれる。


その時、気が付いた。


死柄木さんが飲んでるものがハーブティーだって。


いい香りの正体はアレだったようだ。


ちょっとした疑問がすぐに解けてすっきりした気持ちでいると腕を引かれる。


もちろん、トガちゃんに。


「Aちゃん、座ろう?

 今日はハーブティーを淹れてもらえるよ

 弔くんが頼んだんだって 意外だね!!」


死柄木さんのティーカップを隅に寄せながらトガちゃんが話し出す。


死柄木さんの嫌そうな顔はスルーするようだ。


あ、駄洒落じゃないよ?


「へえ、死柄木さんが...

 それはちょっと意外かもね!黒霧さん、いただいても?」


話していると飲みたくなって、黒霧さんに頼むとカップが二つ出てきた。


私と、トガちゃんの分。


「私のと違いますねェ きれーな色...」


まるでAちゃんの瞳の色みたいだね、なんて言ってきた。


天然で言っているのだろうけれど、その言葉はあまりよくない。


普通に照れるから。


私が照れていると、トガちゃんはズズッと顔を近付けてにやにやし始める。


照れてるの?なんて訊いてきた。


...嫌らしいなあ、トガちゃん。


「照れてないから

 ハーブティー飲むんでしょう?温かいうちに飲んじゃおう」


そう言うことで追求から逃れる。


照れてないは嘘だけれど、ハーブティーを飲みたいのは事実だ。


トガちゃんも飲みたかったのか、ここは素直に引き下がってくれた。


ふぅ、助かったな。


そして私たちはハーブティーを飲む。


黒霧さんの淹れるコーヒーもおいしいけれど、ハーブティーもおいしい。


「交換しましょう」


そう言って、トガちゃんが私のカップを取り上げた。


代わりに私の手には先ほどまでトガちゃんが持っていたカップが握らされる。


「Aちゃんは間接キスとか気にしないタイプだったよね!」


「まあ、うん」


気を使ってくれたのかな、なんて思いながらカップに口をつける。


トガちゃんが使っていないところだ。


なぜならトガちゃんは、自分の使った物で間接キスされるのは嫌いだから。


不思議な子だ、トガちゃんは。

ベタベタ 4日目→←ベタベタ 2日目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
設定タグ:トガヒミコ , ベタベタ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます!トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です! (2020年8月21日 21時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です!、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます!トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです! (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年9月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。