検索窓
今日:32 hit、昨日:23 hit、合計:123,138 hit

第68話 ページ24

「変なとこ…見せちゃった。びっくりさせちゃて、ごめんね………、」

指示を出し終わると、Aは未だ呆然としている神楽と新八を見て少し悲しそうに笑う。

「二人とも、怪我ない?」

「そっか、よかった」

「Aの方こそ怪我してるネ!」

「ううん、あたしも平気!」

「でも、血が…ッ」

「あー、これ…?心配してくれてありがと。でも、これ返り血だから、全然平気だよ。」

そして、血塗れの上着を脱ぐと、銀時の方に向き直してはっきりと告げた。


「銀ちゃんもごめんね。けどさ、こんなところに子ども連れてきたら駄目だよ。」


「ああ…」


「危ないし…こんなの、子どもに見せるものじゃないから。」


「………」

――――"子ども"っていうなら彼女もだ。

そんな風に思った銀時が、言葉を詰まらせていると、


「山崎くん、治安の良いところまで車回したげてくれる?」


「あっ、はい…わかりました。」


(名前は)後ろで立っていた山崎を振り返る。


「じゃ、あたしは先に帰ってるね」

「一緒に乗っていかれなくて、大丈夫ですか?」

「うん、処理班の隊車に乗せてもらって帰るから」


そう言って隊車に歩いて行くA。そして、


「おい、A」


彼女を呼び止める銀時。

「何…?」


「明日の約束忘れんなよ。」


「え、」


「もしかして忘れたのかよ!一緒に甘味屋行く約束…しただろーが」


「…覚えてるけど、」


その背中にいつもの調子で話しかける。


「11時に迎えに行くから、ちゃんと用意しとけよ。」





再び3人に向き直って「わかった、またね」と小さく微笑んだ彼女は、今度こそ処理班の車に乗って行ってしまった。




「じゃあ、行きましょうか?」


"処理"が終わった路地裏は何も起こらなかったかのようで、ただ静寂が包んでいた。

第69話→←第67話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (152 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
220人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 坂田銀時
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あつぽん(プロフ) - アルハさん» ありがとうございます!!!私としてもすごく思い入れのあるこの作品についてそういうコメントいただけるのはすごくうれしいです!これからもよろしくお願いしますね(*^_^*) (2016年12月7日 11時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 1から読みました!話に引き込まれていって凄く面白かったです!!最高!!! (2016年12月3日 14時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - みゅうさん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - あつぽんさんの作品は全て読ませてもらっています!どれも面白くて大好きですっ!これからも頑張って下さいq(^-^q)応援しています(*´ω`*) (2016年8月2日 19時) (レス) id: ad4e56f403 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 月夜さん» おおおお!総悟&神威好きに出会えるとは!!わたしも大好きなので、喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)実は私の作品、神威が活躍するの多いんですよ(笑)これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あつぽん | 作成日時:2016年2月6日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。