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47・銀時side ページ10

「つーか…人ん家でさんざん暴れておいて、家主は仲間外れですかコノヤロー」



そんな暗く異様な雰囲気が続く中最初に口を開いたのは銀時だった



「……とりあえず高杉、その物騒な殺気引っ込めろ。

今はそんなンで揉めてる時じゃねぇだろーが。

どこでもかしこでもそんな殺気振りまいてたら助けられるモンも助けらんねぇよ。」




倒れていた土方を引っ張り上げながら



「てめえもだよ……、ヘタレ副長。」


さらに続ける


「Aが自分の全てをかけて守ろうとしたお前もまた、A光を灯す火だろ?

それががそんな情けねーツラ下げて、惚れた女を諦めるつもりかよ?

一度や二度で諦めるどころか、何もせずに終わんのかよ。

ちったぁ、上司のゴリラ見習え、バカヤロー…。」


着流しを調えて立ち上がる銀時


「お前らは何もわかっちゃいねぇ。

Aがどんなに闘っているのかよ。」


そうだ。彼女は強い。


「人間っつーのはなァそんなに弱くねェよ。

どんなに突き落とされたって、深い闇に墜ちたって、僅かな光できっと救われる。

俺たちにとってそれがAであった様に…Aにとって……俺たちがその光になってやろうや。」


どんな深い闇に堕ちようと、飲まれようとそこに希望を見出だせる光があれば、



「その光のお前らが……!そんな闇にまみれたツラしてて救えると思ってんのかよ!?」

いくらでも立ち直る事が出来る



「……例え助け出せたとしても今のお前らじゃ必ずAを傷つける、それなら最初から俺が行くぜ」


衣擦れの音が乾いた空気に落ちる。


「ハ…っ、流石…銀時。腐っても白夜叉ともなれば言う事が違ぇな。」


そんな中軽く笑いながら呟いた高杉の目が開いていく。


「俺がAの…光?

んな大層なモンじゃねーっての。

ただもう一度Aに笑ってほしいだけだ。」

そして自嘲気味に笑った土方の目にもまた力強さが戻っていた。



「おい、てめーら。行くか行かねェかはてめーらの自由だ。今回の依頼人は土方で受けたのは俺だからな。

行く奴ァ明日の夕刻に万事屋に集合。それまでにお互いそのシケた面戻しとこーぜ?あいつに会った時に心配されねーようにな。」

そして簡単にそう纏める。

「わかった」と傘を差して、暗くなった外へと出て行った高杉と土方。その背中は緊張しているわけでも焦っているわけでもない、ただ自身を受け入れた後ろ姿だった。

48・高杉side→←46・土方side



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海子(プロフ) - めっちゃ泣きました!特に45話くらいからやばかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月1日 5時) (レス) id: 83ea04ee11 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読み途中なんですが、めっちゃ泣けました。これからも応援してます!! (2017年3月13日 23時) (レス) id: 473a281676 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!大人向け大丈夫でしたか?(笑)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 最後の方とても…えろかったです…笑 なんかすごい大人な感じのお話でドキドキします笑 (2016年7月29日 2時) (レス) id: 0e09e5e967 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - ロックマウンテンさん» 早速のコメントありがとうございます!喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)神威君、大活躍ですよー!これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年6月28日 15時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月16日 16時

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