玖 ページ10
私がパーティー会場に行くと辺りは当然のようにざわつく。消えたい。
そんな喧騒を無かったことにして、酒を手に取りグラス一杯分を一気に飲み干す。
周りから一瞬「自棄飲みか？」と囁かれた。おう、そうだよ文句あんのか。
恐らく度数も一桁で収まるような酒で、酒豪なんかからしたら水当然と思われても可笑しくない酒だが、私からしたら酔い潰れられるぐらいのもので、体が熱くなり視界が歪む。
もう充分酔った、あとは少し風に当たって寝よう。
そうしたら嫌な記憶は吹き飛んでる筈だ。
私は思ったらすぐ実行に移すタイプなので、さっさと外に出ることにした。
＊
外に出てみると既に先客がいた。一人がよかったのに、と心の中で悪態をつく。
誰か確認するために近寄るが酒のせいか視界がハッキリしないため、だいぶ近づくことになった。
そして気付いた。先客はもう二度と会いたくないと思ったアイツだったのだから。
私は気付いた瞬間進行方向を逆に方向転換して戻ろうとしたが、時既に遅し。
私の腕はダイゴのしっかりと握られていた。
「……なんでしょ？」
「え？あぁ、せっかく来たのにもう戻るのかなって」
「えぇ、そうですよ……だから手を離してくんない？」
「やだ」
「何で！？」
私は半分悲鳴のような言葉をあげると、逃げようとして腕を引っ張るけど逆に引き寄せられてしまう。
モヤシとか言ったけど、力で叶わないことぐらい知ってたよ。
「何でって……こっちが聞きたいよね、なんで僕から逃げるの？って」
「知らない！本能でじゃないの！？」
「僕って、いつから危険人物になったの？」
「知らない！」
「まぁ、どうでもいいんだけどね。今までやって来たことが回りくどすぎたんだ。」
「何言ってるのかわからな……い」
「え、ちょっと……お酒呑んだの！？」
大分遠くのほうで聞こえるダイゴの声。なんでコイツのことを忘れるために呑んだのに、目の前で心配されなきゃならないんだ……という、理不尽な不満が脳裏を掠め、私の意識はブラックアウトした。
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神宮月左京 - この小説すごく好きです！！更新待ってます！！ (2017年2月11日 14時) (
レス) id: 719afb3edb (このIDを非表示/違反報告)
天咲 - コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！早速見に行きますね！ (2015年2月11日 0時) (レス) id: b865362e37 (このIDを非表示/違反報告)
真餅＠金田一(HQ)は僕の嫁(プロフ) - 面白いです！俺もORASの小説書いてるんでぜひ見て下さい！！ (2015年2月1日 16時) (レス) id: 86f35a74af (このIDを非表示/違反報告)
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