拾四 ページ15
あぁ、走りづらい！こんな事になるならもっとスッキリとしたドレスにしてもらえばよかったと後悔した。
全力疾走したい気持ちを抑えつけて小走りで目標を探す。
右を見て左を見て、また右を見る。どこだとこにいるんだ？
苛立ちが最高潮に達したころに、視界の端に銀色を捉えた。
グルリと方向転換し、歩いて忍び寄る。気づかれないように。
真後ろにつくと拳を握り、肩に狙いを定める。本当は顔面に拳を叩き込んでやりたいけれど、些か身長が足りない。
すると殺気でも感じ取られたのかいとも容易く腕を絡み取られてしまった。
「随分物騒だね？」
そう言って柔らかな笑みを浮かべ、ぐっと顔を近づけてくる。
「えぇ、どっかの誰かさんがロクでもないことしてくれたせいでね？」
私も負けじと言い返すが、顔は少しでも離そうと身を引く。
それにダイゴが気づくと実に楽しそうな顔をして、私を見た目からは想像できない凄まじい力で引き寄せて耳打ちして来た。
「ここで暴れてもいいけれど、恥ずかしい思いをするのは君の方だよ？」
ビクリ、と体が跳ねた。それもそうだ、あれだけ散々悪目立ちしたというのに一時の感情に任せ、恥も外聞もない愚行を働いてしまうところだった。
それに気がつくと顔が火がついたように熱くなった。
きっと私の顔は熟れた林檎に真っ赤だろう。
「……分かったわ、私もそこまで馬鹿じゃないし……」
「話があるなら閉会式の後で、ね？」
「……出なくちゃいけない訳？」
「それはそうだよ。逆になんで出なくてOKなんだい？」
「部屋に引きこもっててもいい？」
「それもダメ。色々な業界の人に捕まると思うよ？」
「……嫌に決まってるじゃない、全く……欝だわ」
「僕の近くにいれば君の代わりに捌いてあげられるけど？」
「……屈辱だけど、頼むわ」
「ふふっ、分かったよ」
最初は殴りに来たはずだったのに、どうして言いくるめられているんだろうか？……いや、下手に噛み付いて嫌な思いはしたくないし、大人しく従っておこう。
……殴るのは後でもいいのだし。
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神宮月左京 - この小説すごく好きです！！更新待ってます！！ (2017年2月11日 14時) (
レス) id: 719afb3edb (このIDを非表示/違反報告)
天咲 - コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！早速見に行きますね！ (2015年2月11日 0時) (レス) id: b865362e37 (このIDを非表示/違反報告)
真餅＠金田一(HQ)は僕の嫁(プロフ) - 面白いです！俺もORASの小説書いてるんでぜひ見て下さい！！ (2015年2月1日 16時) (レス) id: 86f35a74af (このIDを非表示/違反報告)
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