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組織の最初はグルッペンとトントンであった。
平安時代に暴れ回る妖怪を、出会ってから大きく成長した二人が手を組んで、討伐を繰り返していた。
成長したとはいえ、まだまだ二人が若かりし頃、挑んだ相手がいた。
それが八岐大蛇であった。
だがその時は惨敗した。後から思えばだが、ありがたいことに、命を取られることはなかった。
『まだ小童(こわっぱ＝子供)だ』と馬鹿にされたからだった。
八岐大蛇からしてみれば、若かりしグルッペンとトントンは、相手にもならなかったのである。
力の差を見せつけられた二人は退散せざるを得なかった。
そしてしばらくして、妖狐の血筋であるオスマンと出会い、三人は集落や町を襲い、暴れ回る八岐大蛇とどう対峙するべきか、考えあぐねていた時だった。
八岐大蛇は忽然と姿を消した。
三人からすれば、突然のことだった。
その時から八岐大蛇の消息はパッタリと途絶えた。
そして、長い時が経った今も、グルッペンは八岐大蛇に再戦することができずにいる。
それをトントンはずっと、気にしていた。
グルッペンが表には出さないが、頭の隅では八岐大蛇をずっと意識しているのを、側にいて感じていた。
だからいつか、こうなる時がくると、予想はしていた。
音沙汰があれば、必ずグルッペンは討伐に向かうだろうと分かっていた。
だが時が経ちすぎた。もう令和時代だ。
人間界に慣れすぎた妖怪たちは、もう妖力が明らかに弱まっていた。自分や仲間達も例外なくだ。
若かりし頃の自分達でさえ、八岐大蛇に勝てなかったというのに、人間界に染まりすぎて妖力も衰えた今の組織が、果たして、八岐大蛇という未知で強大な相手に挑むことができるのだろうか。
挑んで皆が死ぬくらいなら、
八岐大蛇の討伐はやらんほうがいい。
それがトントンの想いだった。
だから博打に出た。
組織を辞める、と皆の前で、
グルッペンの前で、言い切ったのだった。
冷静に、考え直して欲しかった。
組織を失くしたく…グルッペンを失いたくなかった。
少し煙い焼き鳥屋のテーブル席で、ハツや豚串を追加注文しながら、ずっとトントンの話を聞いていたゾムが、口を開いた。
zm「トントンは俺らのこと、信じてないん？」
その言葉に、トントンは固まった。
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舞茸(プロフ) - お待たせいたしております(-_-;)子供の新学期準備に、謎の喉の違和感と咳に投稿が滞っておりました。お楽しみ頂いている方には、本当にお待たせしてしまい、申し訳なく思います(_ _;)これからどんどん投稿してゆきます！！読んでいただき本当にありがとうございます！ (2022年4月27日 0時) (
レス) id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 次の投稿楽しみにしています。お体にお気をつけて (2022年3月30日 21時) (レス) @page32 id: 2020323a87 (このIDを非表示/違反報告)
舞茸(プロフ) - 気づくのが遅くなり、申し訳ありません！！わざわざ投稿、ありがとうございます！！育児中のため、更新が遅いです、ご了承下さい。ですが感想頂くだけで、とても励みになります！投稿、頑張ります！ (2022年2月18日 1時) (レス) @page32 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - ゾムさん、かっこええ...。 (2022年1月20日 12時) (レス) @page23 id: 9e2a714ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 面白い！見つけられてよかった！ (2021年12月22日 18時) (レス) id: 9754f34744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞茸 | 作成日時：2021年11月7日 22時
