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zm「いやぁ、長いわ…。平安時代からグルッペンと一緒におるんやもんな。そりゃあ失くしたくないの分かるわ。とてつもない時間やと思う」
ゾムは側にあったグラスの酒をぐいっと飲み干した。
zm「確かに、俺らの妖力はもう、人間に慣れすぎて弱なっとるわ…。分かるよ、俺も仲間みんな好きやし、失くすとか考えたくないわ」
じっとゾムの話を聞くトントンに、ゾムは構わず、一本一本、焼き鳥を頬張りながら、話を続けた。
zm「でもやで、トントン。俺ら以上に強い組織、どこにおるん?」
そこまで言うと、ゾムは店員を呼び、メニューを見せながら追加注文した。
zm「…アメリカの精鋭部隊とか、ロシアの武力攻撃で八岐大蛇を倒すんか?原爆でも落としたら八岐大蛇、倒せるん?」
トントンは首を振った。そんなことになれば、日本は戦時中と同じく、焦土と化すだろう。
それは八岐大蛇ではなく、人々が死んでいってしまう。
zm「てかどうやって説明するん?おるか、おらんのかも分からん八岐大蛇を、倒して下さい、ってどっかに頼むん?」
と言いながら、ゾムは笑った。
zm「アホなこと言うなって、俺ら門前払いされるで?w 妖怪の存在なんて今じゃ夢物語なんやで。」
そこへ、ゾムが先ほど頼んだ料理の数々が運ばれてきた。
焼き鳥や大盛りのご飯、ジョッキのお酒だ。出来立ての美味しそうな香りが立ち上る。
tn「……」
だが真剣に話を聞いているトントンは何処吹く風である。
zm「妖怪を専門に討伐するんは、俺らの組織以外に無いんとちゃうんか?」
ゾムはジョッキの酒を飲むと、串を手に取り、また肉を頬張る。そしてご飯をかきこんだ。うまっ、と声が出た。
もぐもぐと頬を動かしながら、ゾムはトントンを見た。トントンはテーブルの上の焼き鳥をじっと見ながら、何か考えているようだ。
ごくん、と飲み込むと、ゾムは酒を流し込んだ。そして一言言うのだった。
zm「俺はあいつら信じとるよ。
あの組織なら、何でもできるわ。」
トントンはやっと、顔を上げた。
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舞茸(プロフ) - お待たせいたしております(-_-;)子供の新学期準備に、謎の喉の違和感と咳に投稿が滞っておりました。お楽しみ頂いている方には、本当にお待たせしてしまい、申し訳なく思います(_ _;)これからどんどん投稿してゆきます!!読んでいただき本当にありがとうございます! (2022年4月27日 0時) (レス) id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 次の投稿楽しみにしています。お体にお気をつけて (2022年3月30日 21時) (レス) @page32 id: 2020323a87 (このIDを非表示/違反報告)
舞茸(プロフ) - 気づくのが遅くなり、申し訳ありません!!わざわざ投稿、ありがとうございます!!育児中のため、更新が遅いです、ご了承下さい。ですが感想頂くだけで、とても励みになります!投稿、頑張ります! (2022年2月18日 1時) (レス) @page32 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - ゾムさん、かっこええ...。 (2022年1月20日 12時) (レス) @page23 id: 9e2a714ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 面白い!見つけられてよかった! (2021年12月22日 18時) (レス) id: 9754f34744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞茸 | 作成日時:2021年11月7日 22時