駄目な男 ページ1
〜凛月視点〜
凛月「…はぁ…。」
何なの。
俺って本当に馬鹿じゃん。
Aにあんだけ「俺は諦めない」だの「あんたしかいない」だの言ってたくせに、
結局は逃げて…。
格好悪ぅ…。
俺よりだめな男なんかいないでしょ。
まだ保健室の先生のほうがいい男じゃん。
…いや、そうでもないかもだけど…。
でも、
ま〜くんが告白した時点で、Aの答えなんて決まってる。
二人がくっついたら、
俺は邪魔になるって思った。
だから、あんなふうに家を出てきちゃったんだ。
本気で帰るつもり無いから、元々少なかった日用品全部持ってきたし。
仕方ないから、しばらくは学校に泊まろう。
まぁ、あと４日は泊まらないといけないんだけど。
Aの声が聞きたい…。
昨日は思わずAからの電話、取っちゃいそうになったんだよね。
でも、話してしまったら
俺の思いが爆発しそうで…。
さらにAやま〜くんの邪魔しちゃいそうで…。
俺はどうしたらいいんだろう…。
勝手に俺がやったことなのに…。
嵐 「…なるほどねぇ。」
凛月「…え？ナッちゃん？」
聞かれてたの？
嵐 「あら？アタシがどうしたのって聞いたら、
あんたが勝手に長々と話しだしたんでしょ？」
凛月「…そうだっけ。」
知らず識らずのうちになんてことを…。
嵐 「でも、任せておきなさい！
恋愛はアタシの得意分野なんだから！」
良かった。こういう友達がいて…。
嵐 「なにか思いついたら伝えるわ。
それまでは、Aちゃんと会ったときに何言うか考えときなさい。」
凛月「…ありがとう。ナッちゃん。」
Knightsの女王様は頼りになるなぁ。
嵐 「でもまさか、あの凛月ちゃんが恋愛で悩む日が来るなんてねぇ♪」
凛月「え、俺って今年しょっちゅう悩んでたよ？」
嵐 「あら、そうだったの！？
言ってくれればよかったのに。」
凛月「まぁ、今日ほど悩んだことはないかな。」
ま〜くんに会ったらどうしよう。
ちゃんと会話できるかな…。
今まで通りに、甘えられるかな…。
今のところ、できる気がしない…。
俺って、こんなに弱い人間だったんだ…。
「あの…凛月くんいますか？」
凛月「？」
嵐 「あら？あんずちゃんじゃない！」
あんずが俺に何の用だろう？
駄目だ。今それどころじゃ無い…。
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