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理不尽13 ページ15

春市sideー
取り損ねたボールを拾いにグラウンドの端までくれば、そこに1人つまらなそうにしてグラウンドを見つめる女の子がいた。

春市「あの人は…」
降谷君に掴みかかって、張り手されてた人だ。ぶつかった時の笑顔にすっかり心を奪われてしまっていたけれど、おそらく先輩のその人にこれからどうアプローチしていけばいいのか迷っていた。と、あれば今は絶好のチャンス。話しかけてみよう。
そろそろと近づいて行くと、聞こえてきたのは大分大きなお腹の音。咄嗟に周りを確認するその人と目が合ってしまった。

春市「え…っと…」
これは聞いてないって言った方がいいのかな。

あ「お前は何も聞いていない。そうだろ?」
あ、やっぱ聞いてないことにしといたほうがいいんだね。けど、なんか最初の時と雰囲気違うな。

春市「あ、え…は、はい!聞いてません!」

あ「うん、物分りが良くて助かるわ。君名前は?」

春市「あ、小湊春市です。」
少し雰囲気は違うけど、やっぱり綺麗な人だな、と思った。

あ「よし、春市君。君に重要な任務を授けよう。購買でパン買ってきて。」
俺部活中なんだけどな。でも、このチャンスを逃したらまた繋がりがなくなってしまう。

春市「分かりました!ちょっと待っててください!」
速攻でパンを買ってきて、名前を聞こう。そしたらまた、挨拶ぐらい出来るよね。

そうして俺は、何とか先輩の名前を聞き出すことに成功した。ちょっといぢわるしちゃったけど、照れてる先輩も見れて満足。やっぱり、好きになっちゃったみたいだ。でもヤバイ。さすがに戻らないと怒られるや。

春市「じゃあまた会いましょうね!A先輩!」

あ「誰が会うか!でもパンはかたじけない!」
何それ、可愛いんだけど。先輩って少し変だけど、きっと憎めない人なんだろうなあ。

前園「こら小湊!!お前どこまでボール取りに行ったんじゃい!!遅いだろが!!」

春市「すいませんでした。ちょっと、奥の方まで飛んでったみたいで。」

前園「ったく、早よ戻れ!」

春市「はい!」
今日のこと、また会ったら少しからかおう。そしたらきっと、もっと可愛い顔が見れると思うから。クスッ…やっぱり俺も、兄貴の血を引き継いでるな。好きな子をいぢめるのは楽しいから♪

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作者名:歯磨き粉 | 作成日時:2016年3月3日 23時

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