初恋。 (ページ5) - 小説/夢小説

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:3,867 hit

3話ページ5

あなたsideー

医療班として、CCGに入局して早数年。最初に現場に出されたのは梟討伐戦の時だっけ。たくさんの死傷者を出したあの現場の独特の雰囲気に押しつぶされそうだったのを今でも思い出す。あれからいろんな現場に駆り出されて、色んな人を診てきた。その中で、気になっている人が1人。その人は、自分の怪我をあまり医療班に診せたがらない。というか、私には特に、だ。
私がまだまだひよっこだからだろうか。だからどうしても彼に認めてもらいたくて。いつの日か、絶対…私の治療を受けてもらいたくて、日々精進しているつもりだ。最初はただの、負けん気だった。
ーーーいつからだろう？その感情が、いつしか恋になっていったのは。

あ「平子上等……か。何考えてるのか、全然分かんないんだよなー。」

彼のことを知りたい。何を考え、何を思い、そして……どんな女性を愛すのだろう。分かっている、彼の瞳には、私のことなど映っていないことくらい。そもそもあまり目も合わせてくれないし…もしかしたら嫌われているのだろうか。だとしても、私は懲りずに彼に話しかけてしまう。少しでも接点を持っていたいから。

道端「Aちゃーん、ごめんよ、治療お願いできるかい？」

あ「道端さん、また怪我しちゃったんですか？いつもいつも、お仕事大変ですね。身体が資本なんですから、あんまり無理しちゃダメですよ？」

道端「いやぁ、気を付けてはいるんだけどね！でもAちゃんに会えると思えば怪我も悪くないかなー、なんてさ！」

あ「もう！そういう冗談はいらないですから！怪我はね、積み重なれば致命傷になるんですよ？道端さん、せっかく仲良くなれたんです。私はあなたに死んで欲しくないわ。」

道端「……はい。」

あ「…ふふっ。説教くさくなっちゃいましたね！はい、終わりましたよ！怪我をしないのが1番ですけど、怪我した時には真っ先に私のところに来て下さいね。全部ちゃんと、治してあげますから。」

道端「ありがとう。また来るよ～♡」

治療をして、感謝されたり、笑顔になってくれるのが嬉しい。私たちの腕に、どれだけの命を救えるかがかかっている。だから日々精進！！1人でも多くの命を救いたい。それが私の夢であり、希望なのだから。