検索窓
今日:12 hit、昨日:8 hit、合計:13,502 hit

9話 ページ10

気持ちを自覚してしまったその日から、私は王子を避けるようになった。今更、私を好きになってくれるわけがない。だって今まで王子の迷惑全部無視して全力で私の気持ちを押し付けてきたようなもんなのだ、そんな女に誰が恋をするというのだろうか。
そう思ったら、いっそこの気持ちを…なかったことにしてしまいたい。私のものにならないのなら、私がこの気持ちを忘れれば丸く収まるんだ。
ーーーそう、思って。




あ「はぁ……。」



鈴屋「あれ?どうしたです?Aがため息なんて、珍しいです。お菓子の食べ過ぎですか?Aは笑顔の方がいいですよー?」



あ「ジューゾー君、君は天使だよねぇ。君の部下には悪魔…いや、大魔王がいるけど。」



鈴屋「大魔王ですか?」



あ「そうそう。あの、半井恵仁とかいうドS番長。」



半井「Aはよっぽど俺にぶち殺されたいみいだね。」



頭を後ろから鷲掴みにされ、ギリギリと締め付けられる。



あ「痛い痛い痛い!!頭割れるぅー!!」



半井「当たり前じゃん、割るつもりでやってんだから。」



あ「恵仁ってなんでこう酷いのかなー!?」



もうこの痛みに任せて泣いてしまおう。私の心は今泣きたい気分なのだ。



鈴屋「なからい、Aが泣いてるですよ?」



半井「は?この程度で泣くなよ。俺がいじめてるみたいだろ。」



あ「これ立派ないじめなんじゃないっすかね!?でも、まあ…この涙は違うっていうか…。や、半分…3分の1は恵仁のせいなんだけど、他はこう…色々ありましてね…」



半井「……そういえば最近、気持ち悪いストーカー行為してないじゃん。もしかして完全にフラれたとかか?」



あ「気持ち悪いとか言わないで!?それに、まだフラれてないし!告白してないんだからフラれようもないでしょ!」



半井「は?あれで告白してないとか、何言ってんの?」



あ「だってあれは私の気持ちを一方的にぶつけてただけで、見返り求めてないもん!それって告白じゃないでしょ?」



水郎「え!?Aさんって、あわよくば付き合いたいと思ってあんだけ好き好きストーカーやってたんじゃないんですか!?見返り求めないとかドMかよ!」



あ「水郎…あんたも結構言うよねー…。そして痛いところを突くんだから…。私ね、今まで本当に王子のそばをうろついて王子の勇姿を見続けられればそれでいいと思ってたの。」

10話→←8話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

茶凛(プロフ) - とっても面白かったです!! くらもっちゃん最高!! (2017年5月30日 6時) (レス) id: dbf487caee (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き粉(プロフ) - ありがとうございます!ほぼ自己満の作品ですが、楽しんでいただけて良かったです! (2017年3月10日 8時) (レス) id: 00a43c3125 (このIDを非表示/違反報告)
fuuka2001(プロフ) - 面白かったです! (2017年3月9日 23時) (レス) id: 0e8e4fe47e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:歯磨き粉 | 作成日時:2016年12月19日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。