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---*---Your Side---*---
「バイバイ!」
・
赤司くんに手を振って歩き始める。
赤司くんは私が歩き始めたの見てしばらくしてから歩き始めた。
・
視線を感じなくなってから、私は後ろを振り返った。
・
・
よし。赤司くんはもういないな。
そして、制服のポケットに突っ込んでいた携帯を取り出した。
・
・
電話帳の一番上、よく使う項目に登録してある番号を押して、携帯を耳元に当てる。
・
・
______プルルルルルル、プルルルルル
何回目かのコールのあと、[はいもしもし]という少しだけ焦ったような声が聞こえた。
その人物に私は笑いながら話しかける。
・
「もしもしお母さん?Aだけど。
うん、大丈夫だよ。ああ、違う違う、平気。
お願いがあるんだけど、……だから違うって。
迎えにきてくれないかな?近くのコンビニまで行ったらまた電話するから。お願いします」
・
お母さんは少しの逡巡のあと、[わかった、準備したら行くね。必ず電話するのよ]と言ってくれた。
電話を切って、私はため息をついた。
・
ここから一番近いコンビニって、どこだっけ。
コンビニを見かけなかったわけじゃないけど、
随分前にそこは通り過ぎた気がする。
またしばらく歩かなきゃいけない。
・
少しだけ泣きそうになって、でもこれからはこれが私の毎日になるんだからと気持ちを立て直す。
・
赤司くん、思ってたよりもずっといい人だったな。
女子が苦手っぽいっていう勘は当たってるみたいだけど。
……でも、なんかいいな。
・
・
・
・
……だけど、ごめんね。
私はあなたを利用しようとしている。
表向きは花火大会のため。だけど本当は……。
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・
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これは、赤司くんには言えない。
これは、彼には言えない秘密。
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この頃、私は嘘つきだった。
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・
全てが、嘘だった。
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ころん - 赤司君めっちゃ好きなのでどんな赤司君でもかっこよくみえちゃいます!!とても面白いのでこれからも頑張ってください!応援してまーす! (2018年1月31日 23時) (レス) id: 830b3257d2 (このIDを非表示/違反報告)
すのー(プロフ) - すごく、面白いです!これからも頑張ってください! (2017年7月29日 22時) (レス) id: 1d804da197 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬のん - 才能すごいです!応援してます、頑張ってください! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 58d6c8d064 (このIDを非表示/違反報告)
かごめ - 低評価つけたの誰?かわいそう…。面白いのでがんばって下さいね! (2017年7月6日 21時) (レス) id: 4b3a71fbfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チヨダ ナオ@ゆるやん | 作者ホームページ:なし
作成日時:2015年5月19日 0時